AnnaBabyTokyo

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週末の「寝だめ」は太る?

「睡眠障害」や「睡眠負債」という言葉が一般化してきましたね。
特に「睡眠負債」の考え方では、日頃の睡眠不足を、週末の「寝だめ」で補うことで解消される(?)ということでしたが、アメリカの最新睡眠研究で、やはり「寝だめ」はさほど効果ないことがわかってきました。
詳細を見てみましょう。

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睡眠不足は太りやすい?

以前から、睡眠不足は肥満や糖尿病のリスクが高くなることで、知られていますね。
それは、寝る時間が遅いので、夕食の時間が遅くなり、インスリン感受性や血糖の調整機能が低下するためだと考えられています。

数年前から問題視されている「睡眠負債」では週末の寝だめでも、一部の研究では、健康が向上すると言われていましたが、週末に寝だめしても、さほど体力の回復や健康度UPには繋がっていないようです。

週末の「寝だめ」は効果なし?

アメリカのコロラド大学の研究によると、平日の睡眠不足を、週末の長時間睡眠で解消することは、やはり難しいということがわかりました。

研究では、18~39歳の健康な男女36名を対象に、2週間、睡眠について経過を観察しました。
対象者は3つのグループに分けられ、

  • 【A】合計9日間、毎日9時間睡眠時間を確保
  • 【B】合計9日間、毎日5時間以下の睡眠時間
  • 【C】平時5日間のみ5時間以下の睡眠時間で週末の2日間だけは、
       好きなだけ寝て良い

という内容でした。
そして、最後の2日間だけは、対象者全員を5時間以下の睡眠として、健康状態を観察しました。

その結果、やはり【B】と【C】のグループのように、平日睡眠不足の人たちは、週末に寝だめしても、健康度は上がっていないことが顕著にわかったのです。

平日の睡眠不足は即体重増加に!?

対象者の行動の詳細を見ると、【B】のグループの人たちは、全般に夜食が増え、体重が増加し、その上、インスリン感受性が有意に低下することがわかったのです。

一方の【C】グループの人たちは、週末だけ寝だめしているので、その時だけ夜食を食べる習性はなかったのですが、また平日に戻ると夜食習慣に戻る傾向にありました。
数値にすると、平日の筋肉や肝臓のインスリン感受性は13%も低下していました。
しかし、週末に寝だめしてその時だけ夜食を辞めていても、9~27%の低下で、人によっては、さらに低下していることもわかったのです。
これは【B】グループの慢性的に睡眠不足の人よりも、週末に寝だめする【C】グループの方が悪い結果になっているということです。

研究者たちは、ヒトには生活リズムがあるので、週末に寝だめすると、平日と生活サイクルが変わるので、むしろ健康に悪い、と述べています。

インスリン感受性が低下すると、肥満になりやすいので、注意したいですね。

睡眠不足を悩むより生活リズムが大事?

不眠症ではなく、睡眠時間が確保できずに睡眠不足になっている人は、例え5時間でも質の良い睡眠であれば、週末に寝だめせずに、毎日生活リズムを変えない方が、かえって健康にはいいのかもしれませんね。

なんらかの理由で、週に1~2日だけのひどい睡眠不足なら(海外旅行での時差や年度末の突発的な残業など)次の日や、その週末に長時間睡眠をとると、体力は回復できますが、日頃の生活習慣としての週末の「寝だめ」は健康戦略には適していないということです。
※参考:『最新生物学』2019年3月

さいごに

週末の寝だめは、効果がある!? と期待した人も多かったと思いますが、この研究で、かえって健康度が下がり、太りやすい体質になることがよくわかりましたね。

数年前に「時間栄養学」がノーベル賞を獲り、話題になりましたが、「体内時間」という人間や動物が自然と備えている時間は、寝だめなどで意図的に変えないことが健康にとって大切なのでしょう。

そういえば、健康度の高い人ほど、週末や休日でも、起床時間はいつも同じ、という方が多い気がします。