太る人は味覚感覚が長い?
ヒトが太るメカニズムは様々な研究で発表されていますが、一般には、ストレスによる食べ過ぎだと考えられていますね。
しかし、つい食べ過ぎてしまう人たちの傾向を解析すると、「食事に対する満足度」すなわち「味覚」が影響しているそうです!?
アメリカの最新栄養研究の結果を見てみましょう。
食べ過ぎる人の「味覚」はどうなっている?
アメリカのアイオワ大学の研究によると、肥満者(BMI30以上)になってくると、普通の人よりも味覚が違ってくることがわかってきました。
ちなみに、過体重の人(BMI25~30)と普通体重の人(BMI25以下)の味覚はさほど変わらなかったそうです。
肥満者の人たちは、最初に食べ物を口に入れた時に感じる味覚「初期味覚」が普通の人よりも強く、その感覚も長く続くことがわかったのです。
通常、最初に食べ物を口に入れて「美味しい!」と感じても、同じものをしばらく食べてくると飽きてしまいます。
こうして食べ過ぎも防げているのが、通常の感覚です。
しかし、肥満者になってくると、こうした味覚感覚が継続しやすいので、食べ過ぎの一因になっているそうです。
肥満者は味覚感覚が長い?
研究チームは、普通体重(161名)、過体重(78名)、肥満者(51名)の合計290名を対象に、チョコレートの試食を行い、継続して何枚食べ続けるかを観察しました。
参加者は1回に1枚ずつチョコレートを食べ、それを好きなだけ繰り返してよい、という内容でした。
その結果、肥満者ほどチョコレートを食べた枚数が多く、枚数が進んでも、飽きることなく食べ続け、最高で一人で51枚も食べた人がいる、とのことです。
そして全体の解析の結果、肥満者は初期の味覚が高く(美味しさの感じ方)、チョコレートの美味しさも高く評価し、その評価は、食べ続けてもなお持続したままだったということです。
さいごに
この結果をふまえ、研究者たちは、
「肥満者はそうでない人たちと比べて、食べ物を美味しいと感じる感覚が長いため、普通の人たちと比べて、平均67.5kcalも多く摂取してしまっていた」
と述べています。
※参考:『栄養食事療法アカデミー雑誌』
研究ではチョコレートが利用されていましたが、これがファストフードや揚げ物、ケーキなどであると、肥満者の体重はますますエスカレートすることになりますね。
今は普通体重の人でも、ついつい美味しいものを「ばっか食べ」するクセがあれば、肥満予備軍となるかもしれません!?
食習慣は、子どもの頃に習慣づいてしまうので、パパママがおやつの食べ過ぎなど、管理してあげましょう。