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成長期の子どもにベジタリアン食はタブー?フィンランド・研究

日本ではまだ少数派ですが、欧米ではベジタリアン食の人口が相当数、存在します。
特に厳格なベジタリアンのことを「ビーガン食」と言いますが、親がビーガンだと、成長期の子どもの食事もビーガン食になります。
このビーガン食、成長期の子どもには栄養不足となり、様々な代謝障害を起こす事実がわかってきました。
フィンランドの最新研究の詳細を見てみましょう。

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成長期の子どもにビーガン食はタブー?

フィンランドのヘルシンキ大学の研究報告により、冒頭のようなことがわかってきました。
成長期のお子さんが、ビーガン食で育つと、年齢に適した通常食の子どもより、ビタミンAやD、コレステロール量、必須アミノ酸量が、有意に低くなることがわかったのです。

若年成人に人気のビーガン食

ビーガン食は若年成人に人気のある食事法です。
ほとんどの場合、ビーガン食を選択した経緯はエコロジカルな理由や健康、倫理観によるものです。
しかし、厳格なビーガン食を実践している人ほど、常に、

  • ビタミンB12
  • ビタミンD
  • ヨウ素

が足りず、サプリメントでの補給が必要となっています。
また、人によっては、

  • カルシウム
  • ビタミンB2
  • 亜鉛

の補給も必要と言います。

ビーガン食の子どもの身体が危ない?

研究チームは、ヘルシンキのデイケア施設で、40人の健康な子どもたちを対象に、栄養と代謝の検討を行いました。
子どもたちは、家族の選択により、

  • 【A】ビーガン食
  • 【B】ベジタリアン食(多少の乳製品や卵を含む)
  • 【C】一般食(通常の食生活で肉・魚介類・野菜類・穀類を含む)

これらの3つから食事傾向を聴き出しました。
解析の結果、【A】ビーガン食の子どもは、予め栄養不足を良そうしてビタミンDのサプリメントを補給してもらっていましたが、採決の血中ビタミンD濃度は、【C】一般食の子どもたちよりも、有意に低かったのです。

ビーガン食はビタミンAも不足する?

ビーガン食の場合、野菜を多く摂取するので、βカロテンの補給が多く、ビタミンAの不足は予想されていませんでした。
しかし、ビーガン食の子どもたちは、ビタミンA濃度も極めて低かったとのこと!

ビーガン食の子どもは栄養不足状態だった!

その他に、子どもの成長に必要な次の栄養成分が、欠如しているとのこと!

  • LDLおよびHDLコレステロールが異常に低い
  • 必須アミノ酸量が足りていない
  • DHAレベルが低い

唯一、誇れるのが、葉酸レベルが顕著に高かったぐらいです。

成長期のお子さんには栄養バランスを!

研究チームは、今回の発見が、ビーガン食を摂る子どもの健康影響を危惧する発表となれば、と考えています。

この結果報告は、子どもの成長に食事の健康影響が、いかに重要かということを強調したい。
ビタミンDに加えて、様々な食品の供給源からビタミンAとタンパク質を取る必要があります。
この3つの栄養素は、特に注意を払うべきだ。

と述べています。
※参考:『EMBO分子医療』

さいごに

パパママが、仮にビーガン食を好んでいたとしても、成長期のお子さんには、発育に必要な栄養補給が大切です。
思春期が過ぎ、成長が止まると、エネルギーの高い食事を控える時期になります。
ビーガン食にシフトするのは、それからでも遅くありません。
お子さんの成長に必要な栄養を、パパママが学んで、健やかな成長を見守ってあげたいですね。