ヒトのカラダは、朝の時間帯は「排泄の時間」とされているので、朝食を抜くのがいいのか? 食べた方がいいのか? と、意見が分かれるところですね。
成人では、個人差があるので、朝食を食べて気分が優れない人は、無理に朝食を食べなくても良いとされています。
しかし成長期である子どもが、いつも朝食を抜いていると、将来の健康度に影響が出てくるようです。
朝食を欠食する子どもは不健康?
ギリシャのヘロコピポ大学の研究では、2015年に行われたギリシャの学校調査の健康データを用いて、8歳から17歳の子ども、約18万人の健康度の統計を取りました。
その結果、朝食を欠食していた子どもたちの健康度が著しく悪いというがわかりました。
食事の質は、ギリシャなので「地中海食」がベースとなっており、それが指標として詳細な調査が行われています。
朝食を食べない子ほど肥満度が高い?
調査では、対象となった子どもたちの4人に1人が朝食を食べていないことがわかりました。
男子生徒では22.4%、女子生徒では23.1%が平均ということです。
朝食を食べない子どもたちの傾向としては、女性生徒では、高学年になるほど、朝食の欠食率が高く、総じて過体重または肥満であるそうです。
また、男女共通して、運動不足や睡眠不足、そしてTVやパソコン、スマホなど液晶画面と向き合っている時間が長いのも、朝食を食べない子の特徴として挙がっていました。
生活習慣の悪さが朝食を食べない子に?
朝食を食べていないから前述のように生活習慣が悪くなるのか? 逆に生活習慣が悪いから朝食を食べない環境になってしまうのか? これはどちらが先とも言えないようですが、朝食の欠食率と生活習慣の悪さと健康度の悪さは、深く関連しているようです。
数値にすると朝食欠食率の理由は以下の通り。
- 食習慣が乏しい 80%
- 睡眠不足(8時間以下) 23%
- 液晶画面の視聴時間が長い(2時間以上) 22.5%
となっています。
貧しい地域の子どもの小児肥満や朝食欠食率の高さは、ギリシャでも、他の諸外国と同様のようですね。
世界中で広がりつつある子どもの朝食抜き
大人で朝食を摂らない人が増えているので、同じように子どもも朝食を摂らないケースがギリシャだけではなく、世界中で増加傾向のようですね。
日本でも同じことが言えるでしょう。
研究者たちは、家庭だけでなく、学校や政府が、成長期の子どもたちが朝食を摂る機会を増やす政策が必要だと述べています。
※参考:『栄養と食事療法学雑誌』2019年3月
さいごに
大人の場合、自分のカラダの声を聞いて、食欲がなければ朝食を抜いてもさほど問題はないかもしれません。
しかし、成長期の子どもは、骨や筋肉の成長とともに、脳の神経回路なども成長をしています。
この時期に、栄養不足となると、カラダの発育だけではなく、勉強の成績や、将来の社会適応力など脳の成長にも関与してくるので、お子さんの朝食はバランスよく栄養が補給できるよう、工夫してあげましょう。