運動習慣が身体にいい影響を及ぼすことは周知のとおりですが、そのメカニズムがある神経細胞(ニューロン)と密接に結びついていることが、アメリカの最新代謝研究でわかってきました。
日常生活に運動を取り入れている人は必見です!
1度の運動効果は2日間継続?
週末にジムなどにいって運動習慣を取り入れている人もいますが、ダラダラと過ごす人も多いですよね。
ダラダラと目的もなく過ごす習慣は、健康意識の維持にも影響し、つまみ食いが多くなり、運動も面倒になっていくのが一般的です。
しかし、少しでも運動をすると、その休日の残り時間を、目的をもって有意義に過ごすことができるそうです。
アメリカのテキサス大学、ウエスタン医療センターでは、マウスを使って、その実証実験を試みました。
この研究で、運動を行うことは、脳の潜在的な役割の認識を深くし、長期にわたって実行すると、今度は身体の代謝改善に役立つこともわかりました。
運動を行うことで脳の神経細胞などが活性化します。
神経細胞の活性化は、多くの運動量を必要とはしないので、ウォーキングや軽いジョギングや筋トレなど、強度の強くない運動を1度行うだけでも、その恩恵が2日程は受けられるようです。
運動は長期間続けるとより効果が持続
研究では、短期運動と、長期運動を行ったマウスを観察し、視床下部の2種類の神経細胞に及ぼす影響を調査しました。
この神経細胞は、マウスだけではなく、人間にも存在する「メラノコルチン系」の神経細胞が測定されています。
2種類の神経細胞のうちの1種(POMC)が活性化されると、食欲を抑え、血糖値を下げ、そしてエネルギー燃焼を高めるなど、ダイエット効果が大いに期待できるようです。
そしてもう1種(NPY/AgRP)が活性化されると、逆に食欲を増進し、代謝を低下させるようです。
この2種類の神経細胞と運動習慣との関連を調べたところ、簡単な連続運動(人間で言うウォーキングや腹筋や背筋などの軽い運動)をマウスが1度行うと、前者のPOMCの神経細胞が活性化されて、NPY神経細胞の活性化を抑制し、最大で2日間、その効果が持続することがわかりました。
また、その連続運動の回数を増やしたり、日数を延ばすと、さらにPOMCの効果が持続したそうです。
※参考:『分子代謝』2018年12月
さいごに
この研究結果は、糖尿病や肥満の治療で、糖代謝の改善にも役立つとして、早くも注目を集めているようです。
漠然と、健康習慣のために、ダイエットのために、運動習慣を取り入れていても、何がどう身体に影響しているのかわからないと、ヤル気も維持できませんよね。
運動をすると「お腹が空く」と考えられがちですが、実際はエネルギーを適切に消費して、無駄な食欲増進も抑えてくれていたのです。
運動習慣はカラダが引き締まるだけではなく、食生活の基本も、体内時計として教えてくれる、新たな習慣となるかもしれませんね。