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ヨーロッパでは3000年前からビールを飲んでいた?イタリア・古代研究

イタリアの採掘調査により、先史時代の微生物が分析され、ヨーロッパでは、約3000年前からビールを飲んでいた事実が判明しました!
3000年前から、人類は発酵食品を製造していたのでしょうか?
ナゾに迫ってみましょう!

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先史時代の採掘物よりチーズとビールの菌が発見!

イタリアの《EURAC研究所》などの共同研究発表により、先史時代の古糞便から、ブルーチーズとビールの生産に必要とされる、2つの《真菌》が発見されたことが判明しました!

研究チームは、オーストリアのユネスコ世界遺産地域の、
『ハルシュタット-ダッハシュタイン』および『ザルツカンマーグート』にて、発掘調査を開始。

最新分析技術を駆使しての調査

それらの地域で、先史時代の塩採掘場から採取した古代の糞便検体(古糞便)を解析しました。
調査内容は、古糞便に存在すると思われる「微生物」「DNA」「タンパク質」などの詳細です。
顕微鏡や《目ゲノム》、《プロテオミクス分析》と呼ばれる、最新分析技術が駆使されました。

その結果、研究チームは、かつてそこに住んでいた人々の食生活を、再構築することに成功!
また、古代人の腸に棲息していた微生物についての情報も、得ることができたそうです。

古代から人間の健康は腸内細菌がカギ!

今回の発見で、腸内の微生物は、古代より、人間の健康に重要な役割を果たしていることも認識できました。
食事調査によると、様々は穀物の《ふすま》と《もみがら》が、当時の一般的な植物の断片の一つであったそうです。
当時の人たちは、穀類から炭水化物を摂り、ソラマメからタンパク質を摂り、時々、果物やナッツ、狩猟で得た動物性タンパク質を食べていたようですね。

ブルーチーズやビールも製造していた!?

研究者たちが、一番驚いた事実は、微生物解析の際、現在の発酵食品に使われる《真菌類》の発見です。
ブルーチーズの製造工程に必要な≪Penicillium roqueforti≫や、ビール酵母して知られる《Saccharomyces cerevisiae》といった微生物が、古代人の腸内細菌から見つかったのです。
しかも、豊富に!
この事実から、

《ゲノムワイド分析》という最新の分析技術から、当時の人々は、鉄器時代には、ヨーロッパでブルーチーズとビールの製造を、既に開始していた証拠となる。

と、研究者たちは述べています。

古代人の食生活と加工食品の歴史が塗り替えられる?

今回の発見をふまえ、研究者たちは、

ハルシュタットの先史時代の塩採掘者たちの生活に、新し光を当て、古代の料理慣行の理解を可能にしました。
当時の料理は、想像以上に洗練されています。
複雑な加工食品や発酵技術は、古代人類の初期の食の歴史において、重要な役割を果たしてきたことが、明らかになったのです。

と述べています。
※参考:『最新生物学』

さいごに

今では、当たり前のように利用されているチーズなどの加工食品や、ビールなどの醗酵食品(飲料)には、製造工程の歴史があります。
今日のビールは、古代人類の、《古の知恵》だと思うと、感慨深いものがあります。
これから年末にかけて、忘年会シーズンに入りますが、ビールのアカデミックな歴史を想像しながら、感謝していただきたいものですね。