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果糖の過剰摂取が肥満に!果糖と体脂肪の関連とは? アメリカ・研究

スイーツや加糖飲料、果物に含まれている《果糖》。
別名「フルクトース」とも呼ばれています。
果糖を摂取すると、消化管の細胞が変化し、余分な栄養まで取り込まれて、体脂肪を蓄積し、肥満につながるようです。
果糖が、どのように体脂肪を蓄積してしまうのか?
そのメカニズムを知って、肥満対策を紐解いてみましょう。

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果糖の過剰摂取と肥満の関連を調査

アメリカのワイルコーネル医科大学のマウス実験での研究報告を見てみましょう。
今回の研究では、世界各国で、肥満人口が増え、社会問題になっている背景を踏まえて、果糖の摂取と肥満およびガンの原因調査も兼ねて、行われました。
主に、小腸の内側を覆う絨毛(じゅうもう)が、果糖の影響を受けている事実が発見されました。

果糖は小腸の絨毛に悪影響を?

小腸の内側に《絨毛》と呼ばれる、細い毛が存在します。
絨毛は、小腸の内側を覆っているそうです。
スイーツや加糖飲料の摂りすぎで、小腸内が高果糖状態になると、絨毛は腸の表面積を拡大してまで、身体が消化管を通過する食物から、脂肪を含む栄養素の吸収を助ける役目があります。
絨毛は、取り込まれた食物の栄養を、体内で有効活用しようと働いている訳ですが……
その機能のおかげで、体内に、脂肪を取り込む量が多くなってしまい、肥満やガンには、悪影響を及ぼしていたのです。

絨毛のメカニズムは、冬眠や寒い地域の人種には有効だが……

ヒトやマウスの他、哺乳類の人間の小腸は、ほぼ同じ仕組みになっており、内側に絨毛が存在します。
もともと、果糖は、天然の果物に含まれるものです。
自然界では、気候の良い時に、果物を過剰に摂取して、身体に溜め込み、冬の冬眠期間に備えて、動物たちは、肥満になるまで食べ続ける習性があります。
寒い地域に住む人々も、冬に食べ物が少なくなるので、冬に備えて、食べ込んで、体内に脂肪を蓄積させています。
しかし、これは、自然界の一部の野生動物や、古代の人々の生活には適していますが、飽食の現代人には、肥満の原因となってしまっているのです。

果糖を摂りすぎると絨毛が25~40%長くなり、ガンの原因に?

今回の実験で、研究班は、マウスを用いて、果糖入りのエサを食べさせたマウスと、そうでないマウスを比較して、腸の長さを調査しました。
その結果、果糖入りのエサを食べていたマウスは、そうでないマウスと比較して、絨毛が25~40%も長くなっている事実が判明!
また、絨毛の長さと比例して、動物の栄養吸収、体重増加、脂肪蓄積の割合も増加していることがわかりました。

果糖は、脂肪食よりも太りやすい?

一般にダイエットをするときは、スイーツよりも、揚げ物などの「脂肪食」を控えがちですね。
そこで、研究班は、実験マウスを3つのグループに分け、どのようなエサを与えると、絨毛が伸びてしまうのか? を調査しました。
3つのグループは、以下の通り。

  1. 通常の低脂肪食
  2. 通常の高脂肪食
  3. 果糖の多い高脂肪食

1のグループは、予想通り、絨毛に変化はなく、体重や脂肪の増加も観察されませんでした。
しかし、3のグループは、2のグループと比較して、絨毛が長く発達され、高脂肪食単独のエサのマウスよりも、肥満していったことが確認されました。

果糖は有害ではない!

このように書くと、果糖は、絨毛を伸ばして、肥満やガンの原因物質? と思ってしまうことでしょう。
しかし、果糖(フルクトース)自体は、有害なものではありません。
また、絨毛が伸びること自体も、悪いわけではありません、
つまり、果糖の過剰摂取により、絨毛の"伸びすぎ"が問題なのです。
果糖を摂取して、絨毛を延ばし、身体に脂肪を取り込むメカニズムは、冬眠が必要な動物には、なくてはならない重要な機能です。
また、世界では冬になると、雪に閉ざされてしまう街や国もあるので、そういう地域の人々には、体脂肪の存在が重要です。

スイーツや加糖飲料の摂りすぎに注意!

果糖は果物に含まれていますが、果物を一気に大量に食べない限り、さほど心配はいりません。
食後のデザートに食べる程度ならOkでしょう。
※参考:『ネイチャー』

しかし、スイーツや加糖飲料となると、摂りすぎの人が多いですね。
在宅で注意する人がいないので、お菓子を食べながら仕事をしたり、食事をスイーツで済ませてしまったり、水代わりに加糖飲料を飲んでいる人は要注意です!