夏バテの原因はいろいろありますが、汗で流れ出てしまうビタミンB群の不足で、体内の代謝がうまく機能していないことも、原因の1つとして挙がっています。
夏バテと深くかかわっているビタミンB群について、カラダのどんな機能と関わりがあるのか、そしてどんな食べ物から補えるのか、詳細をみてみましょう。
ビタミンB群が不足すると夏バテになる?
ビタミンB群は、3大栄養素と呼ばれる、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質を、体内で代謝して、エネルギーに変える補酵素として働くビタミンたちです。
ビタミンB群は、B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類のこと言います。
ビタミンB群は水溶性のビタミンなので、汗と一緒に流れ出てしまう上、食べ物から補っても、体内の滞留時間が3~5時間と短いので、知らずにカラダはビタミンB群不足となり、疲れや夏バテの原因となるのです。
特に炎天下の中を歩行するときは、汗が噴き出てくるので、食欲がなくても、ビタミンB群を含む食べ物で補っておく必要があります。
ビタミンB群は眠っている間にも必要とされる
ビタミンB群は、眠っているときも、食事をしているときも、そして立ったり座ったり、歩いたりといった人間生活を送っているだけでも、どんどんと消耗されています。
それは、基礎代謝にビタミンB群が使われているからです。
また、脈拍や脳血流などにも、ビタミンB群は必要とされているので、不足すると、カラダはストレスを感じやすくなります。
そして、夏は、涼しい場所から、暑い場所へと移動することが多いですが、その急な温度変化は、カラダが瞬時に体温調節をする必要に迫られるので、かなりのストレスを受けており、この時にもビタミンB群は消耗されます。
夏バテに深く関与するビタミンB群は3つ
8種類のビタミンB群の中で、夏バテ予防や改善に深くかかわっているのが、ビタミンB1とB2、B6と考えられています。
- 糖質を代謝するビタミンB1
豚肉、キノコ類、ウナギ、米ぬか、甘酒 - 脂質を代謝するビタミンB2
わかめ、牛乳、レバー類 - タンパク質を代謝するビタミンB6
マグロ、カツオ、卵、米ぬか、甘酒
ウナギを食べる時は、わかめの味噌汁と卵焼きをつけたり、海鮮丼になめ茸やワカメのヌルヌル食材を一緒に具としたり、甘酒を牛乳で割って飲んだりすると、この3つを一度に補給できるでしょう。
また米ぬかは「野菜のぬか漬け」など漬物を食べるようにすると、一緒に塩分も補給できるので、夏バテ対策にいいですね。
さいごに
夏はウナギを食べる機会が多いですし、冷たい豚しゃぶや、海鮮丼も好んでよく食べられているメニューですね。
甘酒も、俳句では夏の季語となっているので、この季節にピッタリです。
こうした夏に好んで食べられているものは、理に叶っていることが多いので、進んで取り入れ、ビタミンB群不足を防ぐようにしたいですね。
※参考文献:『基礎栄養学』2015化学同人,『食品の化学・物性と機能性』2017南江堂