夏野菜の代表の1つでもある「とうもろこし」は、丸ごと茹でてかぶりつくとおいしいですよね。
しかし、一口食べて「甘くない?」とガッカリすることもしばしば。
コーン缶は、工場で味が調整されているのでハズレがありませんが、買ってきたとうもろこしも、ハズレなく天然の甘みを引き出す調理法があるのです。
とうもろこしは茹でずに蒸そう!
ご家庭で、とうもろこしの丸かじりをいただくとき、調理法は、たいてい「茹で」ていませんか?
もとのとうもろこし自体が熟れていると、茹でても天然の甘みが引き出されて、美味しい場合もありますが、この場合、当たり外れがある、ということで、ガッカリする確率も高いものです。
しかし、「蒸す」と水蒸気で、蒸し器内が高温になり、その時に、とうもろこしに含まれる麦芽糖やオリゴ糖の甘みが引き出され、出来上がると、「当たり!」の甘いとうもろこしがいただけます。
蒸し器がなくてもフライパンで代用!
本格的な蒸し器がご自宅になくても、フライパンと小皿があれば、とうもろこしを蒸すことができます。
フライパンに1cmほどの高さまで水を入れ、中央に小皿を置きます。
その上に、とうもろこし2本を並べて、ふたをしめ、10分ほど中火にかければできあがりです。
くれぐれも、とうもろこしの下面に、水がかぶらないよう注意してください。
とうもろこしは茹でるとマズくなる?
とうもろこしを茹でると、中途半端な味で加熱されるので、結局、醤油やポン酢をつけて、調味料の味付けに頼ることになってしまいます。
とうもろこし全体を、湯の中でグラグラ茹でてしまうと、せっかく加熱によって麦芽糖やオリゴ糖で甘みが引き出されても、水面に流れ出てしまい、とうもろこしの実から漏れ出てしまいます。
茹で汁ごと、後でスープにするなら別ですが、とうもろこしの丸かじり目的の場合は、蒸すのが適切と言えるでしょう。
※参考文献:『健康と調理のサイエンス』
とうもろこしはダイエットや免疫力UPに
とうもろこしには「オスモチン」というファイトケミカルが含まれ、メタボ対策になる成分として有名です。
また、アラビノキシランという免疫細胞を活性化させる成分も含むので、夏風邪対策や、食中毒予防にもいいでしょう。
さいごに
とうもろこしは本来「穀物」として収穫されており、「野菜」として食べているとうもろこしは「未熟果」と呼ばれています。スイートコーンとも言いますね。
この量はとうもろこし全体の収穫量からすると、ほんの数パーセントにしかすぎず、30%がコーンスターチとなり、あとの70%弱のとうもろこしは、ほとんどが家畜のエサとして利用されているのです。
こうしてみると、夏の風物詩ともいえる「とうもろこしの丸かじり」は貴重な野菜のようにも思えますね。
今年の夏からは、ぜひ蒸したとうもろこしで、ハズレのない丸かじりを楽しんでください。