AnnaBabyTokyo

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洋食と紫外線予防でビタミンD不足!早産リスクに?

欧米型の食事と、日焼け止めなどによる日光浴不足で、ビタミンDが欠乏状態に陥っている妊婦さんが多くなっているとして、世界中で問題視されていますね。
特に欧米では、地域によって妊婦のうち3~5割の人が該当すると考えられています。
日本でも、食の欧米化が進み、日焼け止めクリームなどで紫外線を徹底的にブロックするので、皮膚でビタミンDが合成されていない女性が急増中です。

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妊婦さんがビタミンD欠乏になると?

ノルウェイ大学の研究によると、妊婦さんが冒頭の理由などでビタミンDが欠乏状態になると、ご自身だけではなく、胎児の骨形成に深刻な影響を及ぼすようです。
それだけではなく、早産や、小児喘息のほか、未来のお子さんの生涯にわたっての病気リスクが高まることがわかってきました。

ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで、皮膚で合成されるという特徴を持ちます。
しかし、北欧など日照時間の短い国では、日光浴不足で、ビタミンD欠乏に陥りやすいと考えられています。
特に冬場は、極端に日照時間が少なくなるので、この時期の妊婦の約半数がビタミンD欠乏に陥っているそうです。

欧米型の食事ではビタミンDが補いにくい

ビタミンDを食事から補おうとすると、キノコ類や魚介類に含まれているのですが、欧米型の食事だと、どうしても肉類が中心となるので、摂取が追いつきません。
欧米型の食事でも、マッシュルームなどを食べる習慣はありますが、日本のしいたけやしめじのように、ビタミンDの含有量が高いきのこは少ないので、欧米に住む女性たちは、日光浴からビタミンDを補うのが得策なのです。
その点、和食は、キノコ類や魚介類はよく食べるので、ビタミンD補給に適しているといえますね。

ビタミンDと病気の関係

 ビタミンDが不足すると、前述のように、早産のリスクが高まったり、お子さんが将来小児喘息リスクになる可能性も高くなります。
そして妊婦の極端なビタミンD欠乏は、高血圧・子癇前症・妊娠糖尿病のリスクも高めることがわかっています。

ノルウェーでは、妊婦さんに対して、ビタミンDの推奨量を1日あたり10μg(日本人の食事摂取基準2015年版では13.5μg)としていますが、これを満たす人は18%ほどだそうです。

そのため、週に2~3回魚介類を取り入れたり、サプリメントを利用する方法がとられています。
しかしサプリメントの場合は逆に、過剰摂取で違う問題も出てくるので、適量を守らなければいけません。

妊婦さんには葉酸と共にビタミンD摂取も!

妊婦に不足しがちなビタミンはビタミンB群の1種である「葉酸」が有名ですね。
緑黄色野菜などに含まれますが、水溶性ビタミンなので、体内滞留時間が短く、妊娠期はサプリメントの利用も、様子を見て、適宜、推奨されています。

しかし、ビタミンDの欠乏も、葉酸と同じぐらい重要なので、今後、世界中で妊婦さんの日光浴や魚介類の摂取が推奨されていくでしょう。
※参考:『プロスワン』

スウェーデンでは?

スウェーデンの婦人科研究でも同様の調査が行われており、特に妊娠後期の女性がビタミンD不足に陥ると、早産や、出生後の子どもの小児ぜんそく、妊娠糖尿病などのリスクが高い傾向にあるようです。

赤ちゃんの生涯の健康のためにもビタミンDが必要

ビタミンD不足は早産や胎児の骨形成、生後の小児ぜんそくだけではありません。
ビタミンDが不足した状態の母親から生まれてきた子どもは、中高年になった時に、心血管疾患や骨粗鬆症にかかりやすくなる、という関連も示唆されています。

幼児期だけではなく、生涯にわたってのお子さんの健康にも関与してくるので、妊活中の人も、妊婦の方も、食事の偏りには、十分注意しておきましょう。

さいごに

日本は、北欧などと比べると日照時間は長いですが、最近の日焼け止めクリームは進化しており、紫外線を徹底的にブロックしてしまいます。
妊娠中の方は、午前8時前の日光なら、日焼けしにくいと考えられているので、早朝の日光を浴びて、皮膚からビタミンDを補うようにしましょう。
そして肉中心ではなく、魚介類やキノコ類を進んで食べておきましょう。