夏は紫外線対策で、日焼け止めクリームや、長袖、日傘、帽子などでバッチリ対策されている方も多いことでしょう。
しかし、日焼け止めクリームの影響で、皮膚からビタミンDが合成されず、ビタミンD不足になっている人が、世界中で増えています。
ビタミンDは筋力UPにも重要なビタミンなので、そのカラクリを見てみましょう。
筋力とビタミンDの関係とは?
オーストラリアのウエストミード医学研究所の発表によると、動物実験の段階ではありますが、筋肉細胞中のビタミンD受容体が欠如しているマウスは、筋肉の強度が非常に低いことが発見されました。
実験では、正常マウスと比べて、ビタミンD受容体が欠如しているマウスは走行速度が著しく遅かったそうです。
動物の筋肉組成も、人間の筋肉組成も構造はほぼ同じなので、ヒトでも同じことが言えるでしょう。
色白女性に、線の細い人が多いのは、日焼けケアをまじめにしすぎて、ビタミンDが不足し、筋力がないからかもしれませんね。
ビタミンD受容体が欠如すると脂肪量が多くなる?
前述の研究に当たった研究者たちは、自らの経験を参考にしながら、ビタミンD受容体が欠如したマウスの筋肉組成を調査しました。
すると、ビタミンD受容体が欠如していると、同じ体重であっても、筋肉量が少なく、脂肪量が多いこともわかってきました。
こうしたマウスたちは、回し車の上を走らせても、走行距離が短く、速度も遅く、若いマウスでも、握力がなく、すぐに疲れてしまったそうです。
もし、ちょっと歩いただけで疲れやすい、歩くのが遅い、などと心当たりがある方は、ビタミンDが不足しているサインといえるようです。
研究者たちは、この発見は、筋力低下による様々な疾患の予防や治療法の道が開けるキッカケになる、と述べています。
※参考:『悪液質、サルコペニア及び筋肉雑誌』2019年6月
ビタミンD不足になると「隠れ肥満」になる可能性も?
ここからは、上記のオーストラリアの研究のお話を参考に考察した内容です。
筋肉細胞からビタミンD受容体が欠如すると、同じ体重でも、筋肉量が少なく、脂肪量が多くなる、ということは、「隠れ肥満」の可能性が高くなるとも考えられますね。
「隠れ肥満」とは、見た目は細く、過体重でもないので、BMI値に関しても、正常値の範囲内です。人によっては、低体重かもしれません。
しかし、体重やBMI値は、その数字の明細はわからないので、ご自分の体重の割合が筋肉の重さなのか、脂肪の重さなのかを意識する必要がある、ということです。
もし、普通体重(低体重)なのに、疲れやすい、歩行速度が遅い、と感じる方は、ビタミンD不足を疑ってみましょう。
さいごに
ビタミンDは日光を程度に浴びると、皮膚で合成されます。
朝、8:00ぐらいまでの日光なら、日焼けしにくいとも考えられているので、早朝の太陽の光を1日5~10分でもいいので、浴びてみましょう。
ビタミンDは食品では「干ししいたけ」やきのこ類に多く含まれますが、食事からの摂取は、なかなか難しいビタミンです。
日焼けケアの”いきすぎ”は筋力を落とし、隠れ肥満の原因になるかもしれないので、ビタミンDが不足しないよう、注意したいですね。