AnnaBabyTokyo

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ママが肥満だと孫・ひ孫、数世代にわたり肝臓がんリスクが高まる?

肥満ママには、肝臓ガンの感受性を高める「マイクロRNA」というものが存在し、世代を超えて子孫に肝臓ガンの感受性を高めてしまうそうです!?
中国武漢より、最新研究結果の詳細を見てみましょう。

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肥満ママの子孫は将来肥満になりやすいと言われるが……?

中国の武漢大学と華中科技大学などの共同研究により、冒頭のようなことがわかってきました。

以前から肥満は、「非アルコール性脂肪性肝疾患」や「肝細胞ガン」などの代謝性の疾患リスクを高めると言われていました。

アメリカでは、近年、肝細胞ガンと診断された患者のうち50%までが、「非アルコール性脂肪性肝疾患」の結果、ガンに至っているというデータが出てきています。
しかし、妊娠期の肥満が、赤ちゃんへの肝臓ガンリスクを高めるメカニズムまでは不明でした。

そこで、中国の研究者たちは、
「子どもの健康に直接的に影響する「妊娠期の肥満」は、今後の肥満の蔓延や代謝性疾患に重要な役割をもつ」
ということで、妊娠期の肥満と、生まれてくる赤ちゃんのガンリスクが詳細に調査されたのです。

肥満ママの子孫は特に肝臓ガンになりやすい?

研究では、高脂肪食を与えて肥満したマウスに、肝臓ガンを引き起こす物質(ジエチルニトロソアミン)を投与して、経過を観察しました。
このマウスたちは、冒頭の肝臓ガンの感受性を高める「マイクロRNA」が体内に存在している状態となっていました。
その後、肥満マウスが妊娠し、仔マウスの成長過程を観察したところ、確実に肝臓ガンの感受性を高める「マイクロRNA」が遺伝されることがわかったのです。

仔マウスは「新生児期」「若年期」「成年期」と、成長が進んでいっても、「マイクロRNA」は存在したままで、やがて肝細胞ガンの進行が促されたということです。

「マイクロRNA」は世代を追うごとにガンリスクを高める?

最初の肥満マウスから仔マウスへと受け継がれた「マイクロRNA」は、その仔が産んだ孫マウスにも受け継がれており、なんと、仔マウスよりも孫マスクのほうが、ガンの重症度が高くなることもわかったのです!

人間も同じく肥満ママの遺伝子は孫の代まで受け継がれる?

研究者たちが、肝細胞ガンのヒトデータも解析したところ、
「母親の肥満とお子さんの病気の進行は、メカニズム的に関連性を示していました。
この研究結果は、胎児期の生後の健康状態が影響する、疾病(しっぺい)の治療や予防の方法を探る、手助けになるだろう。」
と述べています。

また、

妊娠中の母親の血清値は、胎児の健康や、出生後の赤ちゃんの健康状態にとっても重要で、将来的には診断や予測のバイオマーカーとなるだろう。
また、多世代にわたる母親の肥満問題に取り組む世界的な協力も呼びかけたい。

とも、述べています。
※参考:『肝臓学雑誌』

さいごに

妊娠期は、赤ちゃんにも栄養を! と食べ過ぎてしまうママもいますが、医師とよく相談して、妊娠期の体重が増えすぎない工夫も大切ですね。
妊活中の人は、食べ過ぎによる過体重や肥満は、ご自分の子孫の肝臓ガンリスクを高めることを思い出し、体重管理に努めておきたいですね。