朝食は「とったほうがいい」説と、「とらないほうがいい」説と意見が分かれるところですが、それは成人のお話です。
18歳までは成長期なので、この時期のお子さん(若者)の朝食は栄養学の観点からみても必須です。
この時期に朝食をとばしていると、肥満になりやすいことがブラジルの最新栄養研究でわかってきました。
詳細を見てみましょう。
朝食をスキップする若者は太りやすい?
ブラジルのサンパウロ大学医学校などの共同研究では、1日の最初の食事である「朝食」をスキップする子ども(18歳まで)は、不健康な生活習慣と結びつき、肥満になる可能性が高くなる、という統計結果を発表しました。
研究ではヨーロッパとブラジル国内で実施されたデータをもとに、思春期のエネルギーバランスデータと行動、総脂肪量、などの関連データが解析されました。
対象者は2007年に「ブラジル人の心血管系思春期健康」の調査に参加した14~18歳のティーンエイジャー(2007年当時)で、男性:45%、女性:55%でした。
その結果、朝食をスキップしている対象者は体脂肪率が高いことがわかってきました。
調査内容は?
調査内容の詳細は、身長、体重、BMIを肥満の指標としました。
また、腹囲とウエストの身長比を、腹部肥満の指標としています。
エネルギーバランスデータと行動については、学校と家での身体運動について、質問形式で答えてもらい、1日60分程度の中程度から高強度の身体活動(運動・スポーツ)を行っている場合は「充分」、それ以下の場合は「不十分」としました。
そして朝食の欠食を調べるため、「朝食をとらない」という項のアンケートに、1~7段階で答えてもらい、「1~3」を非欠食者(キチンと朝食をとっている)、「5~7」を欠食者(朝食をとってない)としました。
これらを踏まえたうえで、統計をとると、運動不足の若者よりも、朝食をスキップしている若者のほうが優位に体脂肪率が高かったのです。
男子はの方が朝食を抜くと太りやすい?
朝食をスキップして太りやすいのは、男女比で見ると、男子のほうが多いようです。
朝食をスキップすると男子の場合、朝食をキチンと食べている男子に比べて、ヨーロッパの平均値で2.61cm、ブラジル国内の平均値で2.13cm腹囲が大きいことがわかりました。
これはあくまで平均値なので、かなり太ってしまう男子もいるということです。
※参考:『サイエンティフィックレポート』2019年4月
さいごに
朝食を抜く、抜かない、の議論は冒頭でも述べたように、成人になってからのお話。
成長期の18歳までのお子さんは、身体の成長だけではなく、脳神経などの発達も成長期なので、朝食を抜かないよう、パパママが見守ってあげましょう。