AnnaBabyTokyo

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高校生の成績と朝食欠食 因果関係とは?イギリス・公衆衛生研究

今週のお題「応援」

今年も受験シーズンに突入しましたね。
イギリスの公衆衛生研究によると、高校生の成績結果と朝食の因果関係について発表されました。
個人差はありますが、統計がさす数字では、やはり朝食の欠食は成績に左右されてしまうようです。
詳細を見てみましょう?

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朝食摂らない高校生は全国模試の成績が低い?

イギリスのリーズ大学の研究によると、朝食をほとんど食べない高校生は、ほぼ毎日キチンと朝食を食べる高校生と比べて、全国模試の成績が、平均2グレード低いことがわかってきました。
これは、「家庭環境」「人種」「年齢」「性別」「BMI(肥満度指数)」などを考慮した結果ということです。

これは、イギリスでの統計ですが、世界の国々でも同じ問題はあるので、大いに参考になるでしょう。

背景には格差社会の問題も?

この研究にあたった研究者たちによると、イギリスでは毎日50万人もの子供が、学習できないほど空腹の状態で登校しているそうです。
背景には格差社会で、貧困の問題が深刻化しており、食べるものが確保できないのです。
特に成長期の子供において、朝食を摂ることで、脳の認知機能が発達するので、それを欠食してしまうと、栄養不良で学業成績が伸びないのだそう。

学校で朝食を食べるプログラムを拡大

イギリスでは、社会経済的に恵まれない地区に住む子供たちに朝食を食べる機会を与えようと、国が学校で朝食を用意するプログラムを拡大させています。

しかし、ほとんどの公立学校では、そこまで手が回らず、自宅で朝食を摂れない子供は置き去りにされているケースがまだまだ多いようです。

このまま認知機能が成長しない子供が増えると、国全体の学力も落ちてしまいます。
そのため、研究者たちは一刻も早く、イギリス全体で学校側が朝食を用意するプログラムを拡大させる必要がある、と述べています。

学校に通う子供の朝食欠食率は29%

研究では、経済的に困窮している家庭が多いウェストヨークシャー地方の学校に通う生徒約300人を対象に、調査を開始。
その結果、

  1. 朝食を全く摂らない子供 29%
  2. 時々朝食を摂る子供 18%
  3. ほぼ毎日食べる 53%

となっていました。
この統計は、2019年度の全国平均とほぼ同じ数値でした。

朝食欠食の子供の学業成績は2グレード低い

イギリスでは義務教育の最終学年(16歳)に、『中等教育総合資格試験』を受けることが義務付けられています。
試験結果は9グレードで評価されます。

そこで、対象者の試験結果を照合すると、上記【1】の「食を摂らない子供」の成績は、【3】「毎日朝食を食べる子供」と比較すると、平均2グレード成績が低かったそうです。

子供の学力向上には朝食が不可欠?

研究者たちは、この調査結果は「成長期の子供が健康的な朝食を食べることで、学力が向上する」という証拠になる、と述べています。
※参考:『公衆衛生の最前線』

背景には、格差社会で朝食を食べられない子供たちがいることも事実です。
しかし、子供のわがままや思春期のダイエット、親の都合などで朝食を食べない子供もいます。
そうした子供も、朝食を食べていないので、学力向上が一番大切な時期に、脳の認知機能が発達せず、成績が伸びない結果に終わってしまうのです。

さいごに

もし、受験勉強よりも、体型を気にして朝食を食べない中高生のお子さんがいらっしゃるようなら、進学のためにも、朝食を食べる習慣をパパママが整えてあげましょう。

進学を決める時期は、長い人生の中で見るとほんの数年のわずかな期間です。
そのわずかな期間に朝食を欠食してしまうと、脳の認知機能が成長しないのは、もったいないことです。
成人した大人になると、体調にあわせて朝食を食べないことは選択肢になりますが、高校生までの成長期は、栄養バランスの摂れた朝食をとって、受験に備えましょう。