妊娠を希望している女性、そして妊娠中の女性も、ほとんどの人が「妊婦に必要な栄養」を満たしていないようです。
オーストラリアの最新「母子栄養」研究の結果を見てみましょう。
妊活中・妊娠中の女性は食事が偏っている?
オーストラリアのエンデバー・カレッジ・オブ・ナチュラルヘルスという研究所の報告によると、冒頭のような結果がわかってきました。
妊活中そして妊娠中の女性の多くが、「野菜類」「穀類」「葉酸」といった推奨食品や特定の栄養素が摂取不足とのことでした。
多くの女性が「鉄」「カルシウム」不足
この研究では、子供を望んでいる妊娠前の女性と男性に対し、『妊婦の食事ガイドライン』をどれだけ守っているかどうかを調査しました。
各食事内容や栄養素と、問題点との関連も解析されました。
その後、18のデータを解析したところ、以下のような結果がわかってきました。
(妊娠中の女性に関して)
- 鉄不足 91%
- カルシウム不足 55%
という結果が出ています。
また食事面では「葉酸」を含む野菜やミネラルが豊富な穀類も、推奨量を満たしていないことがわかりました。
脂質の摂り過ぎも問題?
一方で、摂取過多の栄養素では、55%もの女性が脂質の推奨量を上回って摂っていました。
他に、教育レベルの高い女性ほど、『妊婦の食事ガイドライン』を忠実に守っている確率が高いこともわかっています。
多くの女性は『ガイドライン』そのものを知らない?
健康的な食事と出生率の関連性は、以前から確立されていました。
しかし、研究者たちが調査を行ったところ、この結果を踏まえ、妊娠を望む女性も、妊娠中の女性も、『妊婦の食事ガイドライン』の存在そのものを知らない人が多すぎる、と指摘しています。
国や自治体、医療機関のサポートをもっと活用すれば、ガイドラインの存在も当然知ることになります。
そうすれば、食事と健康的な妊娠&出産の関連性もわかり、妊婦の栄養不足による悲劇も予防できるかもしれないのです。
今後の課題として、健康的な妊娠には、食事の選択の重要性を理解し、女性だけではなく、パートナーも一緒に学ぶことが大切だそうです。
※参考:『母子栄養』
さいごに
世界の統計を見ても、格差社会で、母親の栄養や健康に関する知識が乏しかったために、生まれてきたお子さんに、何らかの障害があったケースは多くあがっています。
今回の報告で上がってきた、足りない栄養素は「鉄」「カルシウム」「葉酸」でしたね。
鉄はママと赤ちゃんの血液を造り、血液循環を守るうえでも大切な栄養素です。
そして骨形成にはカルシウムや葉酸が必要です。
野菜や穀類は、特に不足しないよう摂取しておきましょう。