食生活が、タンパク質ベースから炭水化物ベースに変わったことで、ある民族の間で肥満や病気が増加したそうです。
人類は先祖からの食生活を変えてしまうと、DNAの「不一致」で肥満や病気になることがわかってきました。
アメリカの最新研究を見てみましょう。
食の「不一致」で肥満や病気が増加?
アメリカのプリンストン大学などの研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
研究班は食生活の「不一致仮説」をたて、肥満、糖尿病、心血管疾患などの病気と、食事内容の関連を調査しました。
「不一致仮説」とは?
不一致仮説は、現在の人類の身体が、祖先が食べた食物を消化するように適応し、進化したことをベースとしています。
根本的に、新しい食物のセットを代謝すると、ほぼ失敗すると、研究班は主張。
ここでいう「失敗」は、新しい食生活が身体に適応せずに、肥満や病気になることを指します。
ケニアの牧畜民トゥルカナ族の例では?
現代の西洋人を対象に、食事調査をするのが困難なので、研究班は、現在も牧畜民として、古代のまま生活を送る、ケニアのトゥルカナ族に着目。
トゥルカナ族の人たちに協力してもらい、食事調査を行いました。
彼らは自給自足の食生活を送っており、牧畜民であるため、肉食が中心です。
生粋のトゥルカナ族は、家畜(ラクダ・牛・羊・山羊・ロバ)に依存して生活しています。
しかし、一部の人たちは、都心に出て、グローバル化に則って、炭水化物中心の食生活を送っていました。
先祖のDNAと違った食生活を送ると肥満に?
研究班が、調査を進めていくと、都心に出たトゥルカナ族の人たちは、故郷とは全く違う食生活を送っていたため、肥満や糖尿病などの生活習慣病に罹っていることが判明!
トゥルカナ族の人たちは肉食が中心のため、タンパク質メインの食事から、炭水化物メインの食生活に移行したため、身体が食べ物の「不一致」を起したと考えられます。
統計によると、トゥルカナ族の人たちの食生活は80%が動物性食品(タンパク質と脂肪)で、ほぼ炭水化物を摂らない食生活に慣れていました。
それが、都心に出て、炭水化物中心となったため、身体がパニックになっていたのです。
炭水化物中心の食事は危ない?
この調査結果は、人種は違うが、炭水化物中心の食生活が、どれだけ不健康になるか、大いに参考なると、研究者たちは述べています。
だからといって、タンパク質中心の食生活や肉食中心の食生活を推奨しているのではありません。
注目すべきは、人類は地域によって、食生活が違うため、先祖が本能的に食して生き延びた、食べ物があるので、その食習慣を大切にすることだそうです。
※参考:『サイエンスアドバンス』
さいごに
飽食の時代と言われる現代、古代にはなかった加工食品が溢れています。
自身の食生活で、何が必要か否かを見極めるのが、健康の基本と言えそうですね。