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小麦アレルギーの人には七面鳥やアブラナ科の野菜が良い?カナダ・研究

お子さんに多い、小麦アレルギーは七面鳥などの鳥類の肉や、キャベツ・ブロッコリーといったアブラナ科の野菜が良いようです。
近年、日本でも続出している「グルテン不耐性」で小麦類を食べれない人にもおすすめです。
なぜ良いのか?
カナダの最新研究を見てみましょう。

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グルテン不耐性にトリプトファンが必須!

カナダのマクスマスター大学の研究により、セリアック病の治療食にプロバイオティクスとトリプトファンの組み合わせで、予防や改善につながることがわかってきました。
研究では、セリアック病の患者さんに七面鳥に多く含まれるアミノ酸の一種「トリプトファン」が、腸内環境を左右する「プロバイオティクス」によって代謝されることを発見!
グルテンフリー食(小麦類抜き)とあわせて行うことで、症状が改善することがわかったのです。

セリアック病とは?グルテン不耐性・小麦アレルギー

セリアック病とは、小麦のグルテンを摂取することで、腸内の「上腸」を傷つけてしまう病気です。
小麦を主食とする欧米では多くの患者さんがいます。
日本での患者数は、少ないと考えられていました。
ですが、日本での血液検査の項目に小麦グルテンの反応項目がないため、「わかっていない」のが現状のようです。
保健適用外の「遅延型フードアレルギー」の血液検査を行い、グルテン不耐性が判明した人は多いと聞きます。

グルテンフリーの食事療法は実現が難しい……

セリアック病をはじめ、グルテン不耐性、小麦アレルギーの人は、治療法として、食事から小麦類を徹底排除する必要があります。
しかし、パンや洋菓子を徹底排除しても、ハンバーグのつなぎやフライや唐揚げの衣、餃子や焼売の皮など、至る所で小麦粉は使用されているので、完璧に避けるのは、どこの国の食事でも難しいのです。
また、完璧に小麦粉を排除できたとしても、一度、グルテンの害で傷ついた腸壁の改善も難しいことがわかっていました。
そこで、研究班は、微量の小麦粉を食べてしまったとしても、症状の予防や改善につながる食事法を検討しました。
注目したのが、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」だったのです。

トリプトファンと腸壁修復の関連とは?

小麦による腸へのダメージを修復するには、腸壁を造る原料となる食事が大切です。
各臓器はタンパク質を原料としていますが、グルテンもタンパク質の一種。
合わない種類のタンパク質だと、腸壁を傷つけてしまします。
トリプトファンなら、必須アミノ酸の一つであり、体内で生成されないので、鶏肉やバナナ、そしてブロッコリー・キャベツ・カリフラワーといったアブラナ科の野菜から摂る必要があります。
トリプトファンは、体内で多くの役割があり、特に腸内では、細菌によって分解され、炎症を制御して腸内膜の受容体と相互作用する物質を生成してくれます。
こうして創られた物質が、腸の活性化に重要な役割を果たすのだそう。
セリアック病の遺伝子を持ちながら、小麦類を摂取しても、発病を抑えられている人は、トリプトファンの機能が大きいのではないか? と推測できたのです。

トリプトファンは乳酸菌食品と一緒に!

研究チームは、前述の食品からトリプトファンを摂取したうえで、グルテンフリー食を遂行したところ、2年間で、セリアック病の患者が快方に向かったとのこと。
また、マウスを用いた実験で、セリアック病患者と同じ腸内環境にしたマウスの経過観察も行いました。
すると、グルテンフリー食&トリプトファン摂取に加えて、乳酸菌の摂取を増やすと、有意にグルテンによる腸内の炎症を軽減することがわかったのです。
この結果をふまえ、研究者たちは、小麦によって傷ついた腸内は、グルテンフリー食に加え、トリプトファン&乳酸菌の摂取を、強く推奨する、と述べています。
※参考:『サイエンストランスレーショナル医療』

さいごに

ほとんどの加工食品や調味料にも添加されている小麦粉は、完璧に排除するのは難しいですよね。
あまり気にしすぎると、食べるのが怖くなってしまいます。
鶏肉やアブラナ科の野菜は、日常に食べやすい食品ですし、乳酸菌は漬物やキムチ、納豆といった発酵食品からも摂取できるので、あわせて摂って、丈夫な腸壁にしておきたいですね。