近年の血液検査は、範囲が広がってきており、未来のアルコール関連の疾患も予見できるようになったそうです!?
フィンランドの最新研究を見てみましょう。
アルコール摂取は疾病負荷の5%を占める?
東フィンランド大学の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
この発見は、世界初! ということです。
アルコール摂取は、「アルコール依存症」「肝硬変」「各種がん」といった、多くの重篤な疾患の原因になります。
そのため、アルコール摂取は、世界の疾病負荷の約5%を占めると推定されています。
WHOでは、アルコールの過剰摂取の削減を、最も重要な優先事項の1つとして挙げているぐらいです。
アルコール関連疾患のリスクを特定個人に知らせられる!
今までの研究では、アルコール関連疾患のリスクがある個人に、早期段階で特定することは困難でした。
しかし、今回の研究では、それが可能になったとのこと!
血清代謝物のプロファイルが変化することに、着目して検討を行った結果、功を奏したようです。
平均13年間の追跡調査により解明!
研究班は、1984~1989年当時に42~60歳であった男性92名を対象に、平均13.6年間の追跡調査を行いました。
対象となったのは、アルコール関連疾患の診断を受けた患者さんたちです。
比較対象として、自己申告による飲酒レベルが高い人と、少量飲酒しかしない人たちも設定されました。
アスパラギンのレベルがカギ?
研究開始時に採取された血液検査の解析後、対象となった人たちは、比較対象グループの人たちよりも、血清セロトニンとアスパラギンのレベルが有意に低下していることがわかりました。
アスパラギンの低下は、飲酒による臓器ダメージのリスク上昇と関連している、と考察できるのだそう!
この結果をふまえ、研究者たちは、
この研究は、血清代謝物のプロファイルを使用して、未来のアルコール関連疾患の発病リスクを、個人に事前に、知らせることを可能とするものだ。
と述べています。
※参考:『アルコール中毒:臨床・実験研究』
さいごに
アルコールをたしなむ人たちには、ありがたい血液検査ですね。
まだ研究段階ではありますが、近い将来、日本の健康診断でもわかるようになるといいですね。