超加工食品は炎症性腸疾患のリスクを高くする? カナダ・研究
お子さんの夏休みが始まり、ジュースや菓子類の購入率が増えていませんか?
しかし、市販の菓子類や加糖飲料、インスタント食といった『超加工食品』の摂取が多い人ほど、腸相が悪くなり『炎症性腸疾患』のリスクが高くなるようです!
カナダの最新研究の詳細を見てみましょう。
超加工食品は腸相を確実に悪くする!!!
カナダのマクマスター大学の研究により、冒頭のような事実がわかってきました。
『超加工食品』とは、コンビニやスーパーで気軽に買える包装された
- 焼き菓子
- スナック菓子
- 菓子パン類
- 炭酸飲料
- 加糖飲料
- スポーツドリンクやエナジードリンク
- 甘いシリアル
- インスタント食品
- 冷凍食品
- 工場で調理済みの弁当類
などを指します。
これらには、食品添加物をはじめ、砂糖、小麦粉、油脂類、塩分、再構成肉、水産加工品、防腐剤などが、多数含まれている上、高度に「加工」された食品です。
ほとんど食物繊維やビタミン類が入っていない、とも言えます。
炎症性腸疾患は先進国で増えている!
『炎症性腸疾患』は、日本をはじめ欧米やオセアニアなどの先進国では、一般的に見られる、腸の疾患です。
もしかしたら、ご自分では「腸が悪い」と気付いていないぐらい、一般化しています。
便秘や、お腹が張りやすい人は、要注意です。
こうした事実をふまえ、研究チームは、先進国の人々の食生活に着目!
今回の研究は、「超加工食品」と腸相の関連について、はじめて本格調査された試みとなりました。
約12万人の食生活を分析!
研究チームは、低所得国、中所得国、高所得国、それぞれから21の国々に協力してもらい、約12万人分の食生活データを分析し、腸との関連を調べました。
この調査は、2003~2016年にかけて、最低3年ごとに評価されました。
平均追跡期間は9.7年とのこと。
その間に、クローン病や潰瘍性大腸炎などを含む『炎症性腸疾患』に罹患した人は、約500名でした。
超加工食品の摂取量が多いほど腸の疾患に!
遺伝情報などを考慮した結果、人々の食生活を分析した結果、『超加工食品』の摂取量が多い人ほど、炎症性腸疾患に罹患するリスクが高くなる事実が判明しました。
例えば、超加工食品の摂取量が、1日1皿未満の人と比較すると、1日5皿以上摂取した人は、炎症性腸疾患のリスクが82%も高かったのです。
また、1日4食以上の食事をする人も、炎症性腸疾患のリスクが高く67%増でした。
清涼飲料氏、スイーツ、塩味のスナック菓子、加工肉が危ない?
食品別で解析すると、
- 清涼飲料水(加糖ジュース、スポーツドリンク、エナジードリンクなど)
- 甘い菓子類
- 塩味のスナック
- ハム、ウィンナーなどの加工肉
- インスタント食品や冷凍食品
などの摂取が多い人も、炎症性腸疾患のリスクの高さと比例していました。
健康的な食品は?
対照的に、
- 白身肉(鶏肉や魚介)
- 赤身肉
- 牛乳やチーズ
- イモ類や穀類のでんぷん
- 果物全般
- 野菜全般
- 豆類
などの生鮮食品や自然由来の食品を食べていた人は、炎症性腸疾患のリスクとは関連しない事実も判明しました。
食品の加工度が腸疾患と関連か?
この結果をふまえ、研究者たちは、
今回の研究は、観察研究であるため、統計からのデータ解析しか行っていません。
しかし、どの国の人たちも、同じ結果が出ているので、この所見は確固たるものであることは示唆しています。
未加工の白肉や赤身肉や乳製品、穀類やイモ類のでんぷん、果物、野菜、豆類などは、炎症性腸疾患のリスクが低いことから、食べ物の調理過程や加工度が、大きく、人の健康度に関わっているとも考察できます。
と述べています。
※参考:『英国医学雑誌(BMJ)』
さいごに
確かに、自宅で焼いてすぐのお肉や魚だと、脂の酸化も進んでいないので、栄養価が高い状態で食べれますよね。
しかし、ハムやウィンナーの加工肉や、コンビニ弁当の焼肉弁当では、調理後、数時間が経過しており、脂も酸化しています。
野菜や果物も、油で揚げた野菜チップスや砂糖で加工したドライフルーツよりも、生で食べると酵素たっぷりの健康度の高い食品です。
同じ食べ物でも、加工や調理の仕方で、栄養価が違ってくるので、なるべく調理後すぐのものを食べたいですね。