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コレステロール値と牛乳摂取に関連はない? イギリス・研究

コレステロール値が高い人は、牛乳の摂取を控えているかもしれません。
しかし、牛乳の摂取はコレステロール値を上げてしまうのでしょうか?
イギリスの最新研究によると、卵と同様、牛乳もコレステロール値の上昇には関与していないようです!?
詳細を見てみましょう。

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牛乳の摂取とコレステロール値は関連なし?

イギリスのレディング大学の研究報告により、冒頭のようなことがわかってきました。
研究チームは、イギリスの3つの大規模ベースの研究をもとに、定期的に大量の牛乳を摂取している人たちの詳細を分析しました。
牛乳を摂取しない人たちと比べると、BMI値が高いものの、HDL-コレステロールもLDL-コレステロールも、どちらの数値も低いことがわかったのです。

牛乳を飲む人は、冠動脈疾患リスクも低かった?

さらに分析を進めると、定期的に牛乳を摂取している人たちは、そうでない人たちと比較して、「冠動脈疾患」のリスクが14%低いことも発見されました。
そこで、研究チームは、「乳糖分解酵素遺伝子」の変異に基づく、牛乳摂取の遺伝的アプローチを調査。

乳糖を分解できる遺伝子をもつ人とは?

人種によって、DNAが異なるので、体内で乳糖をキチンと分解できる遺伝子を持つかどうかで、牛乳による健康度が違ってくると考えられています。
例えば、日本人は祖先が農耕民族なので、牛乳を飲む習慣がなく、体質にあわないと感じる人が多い、とされています。
一方、遊牧民を祖先に持つヨーロッパの国々では、昔から酪農で牛乳を飲む習慣があったので、乳糖を分解するDNAを持つと考えれています。
そのため、牛乳をより多く摂取しても、コレステロール値や血管に影響がないのかもしれませんね。

乳糖を分解できるDNAの人たちは、コレステロール値に影響しない

こうした条件をふまえ、研究者たちは、

より高い牛乳摂取量は、乳糖を分解できるDNAをもつ人の場合、BMI値や体脂肪率は高くなっても、コレストロール値に影響することはありませんでした。
また、冠動脈疾患のリスクが有意に低いことも明らかになりました。
心血管系疾患の予防に、牛乳の摂取を控えるような注意喚起がありますが、必ずしも当てはまらない、ということもわかったのです。

と述べています。

乳製品は糖尿病にも影響しない?

新しい研究では、乳製品の摂取率の高さと、肥満や糖尿病、心臓代謝系疾患の因果関係も調査されました。
そうすると、先行研究の矛盾点が、いくつか浮かび上がってきたのです。

研究チームが約190万人のデータを解析したところ……!?

乳糖分解酵素のDNAを持つ人は、Ⅱ型糖尿病リスクが11%低いことがわかりました。

牛乳は必ずしも身体に悪いわけではない

今回の研究では、乳糖分解酵素のDNAを持つ人の場合、牛乳摂取が、決して健康を害しているわけではないことが証明されました。
しかし、一般の人々が、簡単に、自身が乳糖分解酵素のDNAを持つかどうかがわからないため、強力な証拠発見という段階ではないようです。
※参考:『国際肥満学雑誌』

さいごに

日本人の場合、乳糖分解酵素のDNAを持つ可能性は低いかもしれないので、成人になったら、摂り過ぎない方がいいかもしれませんね。(成長期のお子さんは別です)