骨の成長は、二十歳をピークにストップし、骨密度や骨量も加齢とともに低下してしまいます。
骨量を守るために、カルシウムやマグネシウム、ビタミンDの摂取が必要と言われていますね。
少しでも若い頃から、骨量の維持に努めておかないと!?
将来、骨粗しょう症はもちろん、難聴リスクも出てくるようです。
アメリカの最新研究を見てみましょう。
骨密度が低い女性は難聴リスクが?
アメリカのブリガムアンドウィメンズ病院の研究報告により、冒頭のようなことがわかってきました。
骨密度と難聴にどんな関係があるのでしょうか?
難聴と骨密度の関連
以前から、難聴に関する研究報告として、難聴の人は、骨粗しょう症と低骨密度の有病率が高喪失い、ということがわかっていました。
しかし、こうした疾患が時間と共に、聴覚喪失のリスクに影響するかどうかの詳細はわかっていませんでした。
骨折時の治療薬は難聴に効果なし?
また、何らかの事故で骨折した女性は、そのまま骨密度が低下するケースがあります。
そのため、「ビスフォスフォネート」という治療薬が投与されます。
この薬は、骨密度が低下した患者に対し、骨折予防にもなると言われています。
しかし、この薬の投与で、骨密度の低下を予防しても、難聴リスクは予防できないこともわかってきました。
34年の追跡調査で分かったこととは?
研究チームは、『聴覚保全研究』の一部として、約14万人の女性看護師を、最大で34年間、追跡調査を行って、聴覚と骨密度の関連を調べました。
14万人のデータを解析した結果、研究チームは、中等度または重度の難聴リスクは、骨粗しょう症や低骨密度を患うことで、最大40%もリスクが高くなることを発見したのです。
前述の「ビスフォスフォネート」を服用しても、リスクの上昇は緩和されなかったとのことです。
カルシウムとビタミンDで骨密度と難聴を予防しよう!
この結果をふまえ、研究者たちは、
まだ骨粗しょう症と低骨密度が、難聴に寄与する根本的なメカニズムは解明されていません。
しかし、大規模な追跡調査の結果、データがその関連を物語っています。
骨密度を維持することで、聴覚に関与する神経と構造を保護すると考察できます。
カルシウムとビタミンDの摂取を定期的に行い、骨密度の維持に努めてほしい。
それが、難聴を予防することにつながるかもしれない。
と述べています。
※参考:『米国老人医学会雑誌』
さいごに
骨粗しょう症は女性に多い疾患ですね。
高齢者のイメージがありますが、偏食により、年々罹患率は若年傾向になっています。
骨密度の維持は、成長期のお子さんの食生活も維持するので、日頃からカルシウムとビタミンDの両方が摂取できる魚介類を、食生活に取り入れておきましょう。