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「高炭水化物+菜食」でⅠ型糖尿病が改善? アメリカ・研究

お子さんや20代前半で判明する「Ⅰ型糖尿病」。
Ⅱ型糖尿病と違い、ご本人の生活習慣の悪さではなく、生まれつきであったり、何らかの体調の変化が影響する不治の病とも呼ばれています。
しかし、アメリカの最新研究によると、食事療法で、改善の兆しがあるとのこと!
詳細を見てみましょう。

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Ⅰ型糖尿病は「高炭水化物+菜食」で改善できる?

アメリカ『責任ある医療のための医師会』からの症例報告によると、Ⅰ型糖尿病患者が、野菜&果物、全粒粉パン、豆類が豊富な食生活を送ることで、インスリン感受性や様々な検査値が改善した、とのことです。
改善した二人の患者の食事パターンが紹介されました。

Ⅰ型糖尿病患者に高脂肪食はタブー?

2018年にⅠ型糖尿病と診断された女性患者は、診断時の「HbA1c」数値が8.7%でした。
※「HbA1c」の数値が6.5%以上で糖尿病と判定されます。

この女性は、最初、糖尿病の治療食例に多い「低炭水化物×高脂肪食」を摂っていました。
1日あたりの炭水化物摂取量は30g未満、そして肉類や乳製品を大量に摂取していたのです。
こうした食事は、血糖値だけは安定させることができますが、結局、栄養バランスが悪いため、摂取した炭水化物1gあたりのインスリン必要量が増加してしまう結果となっていたのです。

コレステロール値は?

また総コレステロールも221mg/dlと高い数値でした。

そこで、2019年1月より、乳製品や卵、肉の摂取をやめさせ、なるべく加工や精製されていない植物性食品を摂る菜食に切り替えてもらいました。

全粒粉パンなどから炭水化物を摂るので、高炭水化物食となっていますが、野菜や豆類の摂取も増えており、結果的にはインスリン投与量を減らすことに成功!
そして、「HbA1c」は5.4%と糖尿病基準の数値を下回ったのです!
また総コレステロール値も158mg/dlまで低下したとのことです。

糖尿病であっても糖質オフ食は必要ないのか?

糖尿病だからといって、炭水化物を徹底的に控え、高脂肪、高たんぱく食のいわゆる「糖質オフ」食は、肝心の糖尿病患者にも悪い食事であったのですね。

この結果をふまえ、医師たちは、「炭水化物は糖尿病の敵」といのは誤解であった。
ただし、全粒粉パンや雑穀など未精製の穀物から、健康的な炭水化物を摂るのが望ましい、と述べています。

健康的な炭水化物色を増やすと体重も減少?

2つ目の症例では、25歳時点でⅠ型糖尿病と診断された40代の男性です。
この男性も、前述の女性と同様、炭水化物量を1日150gから400~450gと大幅に増やし、動物性食品を控え、野菜や植物性のタンパク質を摂るよう指示しました。
炭水化物も、全粒粉パンや雑穀類から摂っています。
すると、体重が減少し、インスリン必要量が減少し、やはり「HbA1c」が、6.2%から5.5%と、糖尿病基準値を下回ったのです!

高炭水化物・高繊維食がⅠ型糖尿病改善のカギ?

この患者の経過を見守った医師たちは、この症例結果をふまえ、ほかのⅠ型糖尿病患者にも、同様の食事療法をおこなったところ、血糖コントロールが改善したとのこと!

高炭水化物食といっても、スイーツや白く生成された小麦粉で作られたパンや菓子類はタブーです。
あくまで全粒粉小麦で作られたパン類や雑穀、玄米といった未精製の穀物からやや多めの炭水化物をとることがポイントとなります。

こうした穀類は食物繊維も多いので、高繊維食にもなります。
また、肉や乳製品といった動物性食品の摂取を減らし、生野菜や豆類が増えたことも大きいようですね。

菜食と糖尿病の関係は重視すべき!

この結果をふまえ、研究者や医師たちは、
「これまでにも、Ⅱ型糖尿病患者がベジタリアン食に切り替えると、改善に向かったという報告が上がっていました。また、Ⅰ型糖尿病患者には不向きと考えられていました。
しかし、今回の症例や研究で、Ⅰ型糖尿病にも食事療法で改善の兆しが望めること、そして糖尿病の治療食と言われていた「糖質制限食」が、無意味であったこともわかった」
と述べています。
※参考:『糖尿病及び代謝雑誌』

さいごに

今や、ダイエットの常識みたいになっている「糖質オフ」「糖質制限食」。
もともとは、糖尿病の治療食として考案されたハズでしたが、ここでも、糖質オフ食が間違いであることがわかりましたね。
スイーツや白パンを控えることは正しい選択ですが、炭水化物を排除してしまうのはタブーです。
全粒粉パンや雑穀などから炭水化物を摂るようにしてみてください。