以前から日本で売られている「マーガリン」や大手食品メーカーが製造する「菓子パン」、そしてコーヒーフレッシュには『トランス脂肪酸』が含まれていることが知られていますね。
世界では、トランス脂肪酸の健康被害を懸念して、ほとんどの諸外国が製造を禁止していますが、日本は1日の摂取量の上限だけ設けて、製造&販売禁止の措置は取られていません。
パン食&コーヒーにフレッシュを愛用している人は、知らずにトランス脂肪酸による毒性に侵されているかもしれません!
東北大学の最新研究結果を見てみましょう。
トランス脂肪酸による毒性とは?
紫外線を浴びたり、薬剤を服用すると、体内では何らかのDNA損傷が起きます。
東北大学の研究によると、トランス脂肪酸を摂取した状態で、紫外線を浴びたり薬剤を服用すると、DNA損傷時に自発的な細胞死(アポトーシス)を促進することがわかってきました。
そのメカニズムはどうなっているのでしょうか?
トランス脂肪酸とDNA損傷時の関係とは?
トランス脂肪酸は、前述のようにDNA損傷時に、様々なストレスに応答する『JNK』という物質や、ミトコンドリアによる活性酸素の産生を強調的に増強する作用があることがわかったのです。
そのため、私たちは、トランス脂肪酸がたっぷりと入った食事を摂ると、体内で自分自身の細胞死を誘導していることになるのです!
DNA損傷による「細胞死」は危険?
どんな細胞でもやがて役割を終えると死滅(アポトーシス)し、また新たな細胞が生まれるので、自然の摂理として問題はないことです。
お肌のターンオーバーなどが良い例でしょう。
例えるなら「細胞の自然死」ということです。
しかし、紫外線や薬の副作用などでDNA損傷による細胞死は、細胞の「自然死」とは言い難く、「動脈硬化症」をはじめ、様々な疾患の病態を悪化させるという特質が見られます。
今回の研究では、トランス脂肪酸によって細胞死を促進させる分子機構が発見できたので、関連疾患や発症機序の解明、そして様々な病気の予防や治療戦略の開発に役立つ、基礎知見となったそうです。
※参考:『サイエンティフィックレポート』
さいごに
スーパーやコンビニで購入できる大手食品メーカーが製造したパン類では、多くの製品の『原材料名』欄で「トランス脂肪酸」「マーガリン」の表記が見つかるでしょう。
家で過ごす時間が長くなったので、こういった菓子パンを食べる機会も増えているかもしれません。
1つだけなら問題なくても、そういったパン類を2~3個食べると、国が規定したトランス脂肪酸の摂取量を、あっというまに上回ります!
もちろん、トランス脂肪酸不使用のパンや菓子類もあるので、生活者が賢く食品を選択して、ご自分の健康を、細胞レベルで管理しておきたいですね。