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離乳食を早期に始めてしまうと小児肥満のリスク大? アメリカ・研究

生後3ヶ月以内に離乳食を始めてしまった場合、赤ちゃんの腸内細菌叢が悪くなり、将来、免疫力が低下して細菌感染や肥満、代謝性疾患になる可能性が高くなるようです。
アメリカの最新研究の結果を見てみましょう。

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生後3ヶ月以内に離乳食を始めると腸内細菌に悪影響?

アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
どういうことかというと、生後3ヶ月以内に離乳食を開始した乳児の腸内細菌を調べると、短鎖脂肪酸と呼ばれる細菌の産生物のレベルに変化を来たすようなのです。
この変化により、「肥満」「代謝」「免疫性疾患」にかかりやすくなる、とのこと。

離乳食の早期開始は小児肥満リスクに?

先行研究でも、離乳食の早期開始は、小児期の過体重や小児肥満のリスクが高くなることがわかっていました。
今回の研究で、それは赤ちゃんの腸内細菌叢に悪影響が出ていることがわかったのです。
これは悪い物を食べさせた、ということではなく、本来はまだ母乳しか受け付けられない身体であるのに、他の食べ物が体内に入ってくることで、本来の腸内細菌の構成が変わってしまったということのようです。

生後4~6ヶ月までは母乳のみが理想?

アメリカの小児科医の団体では、生後4~6ヶ月の乳児に対しては、母乳のみを与え、
その後、赤ちゃんの様子を見ながら母乳に加え、乳児用ミルクや離乳食を与えるべきだ、ということを推奨しています。

また先行研究では、生後6ヶ月より早く離乳食を開始すると、小児肥満や過体重になりやすいことも示唆されていました。
こうした早期の離乳食開始は、湿疹の原因や食物アレルギー、花粉症など、アレルギー発症になりやすいという傾向もあります。

離乳食を早く開始すると赤ちゃんの代謝や免疫機能はどうなるの?

そこで研究チームは、離乳食開始時期と子どもの代謝や免疫関係を調べるべく、67名の乳児の食事やその他の状況について、3ヶ月ごとに母親の聞き取り調査を開始!
それと同時に、生後3ヶ月と12ヶ月時点での乳児の便も分析しました。

その結果、生後3ヶ月以内に離乳食を開始した乳児の便サンプルは、それより遅く離乳食を開始した乳児の便と比べて、細菌の多様性が有意に高いことがわかったのです。
そして12ヶ月時点まで追跡調査をしても、同様の結果になったということです。

生後3ヶ月の食生活が成人になっても影響?

過去の研究でも、生後3ヶ月時点で、腸内細菌が多様化していると小児肥満のリスクが高くなり、青年期を肥満児として過ごしたり、成人になっても「肥満」「糖尿病」「高血圧」と生活習慣病のリスクが高くなることがわかっていました。

この結果をふまえ、研究者たちは、腸内細菌の変化が代謝と免疫機能の発達における、共通の主要な要因であることがわかった、と述べています。
※参考:『BMC微生物学』

さいごに

生後3ヶ月の赤ちゃんはまだ、食べ物からの栄養を必要としていない時期。
母乳に含まれる栄養成分のみで、成長できる時期だからです。
赤ちゃんが6ヶ月になるまでは、母乳や場合によっては育児ミルクなどでお腹を満たしてあげましょう。
生後3ヶ月の頃は、まだ自分の意志で食生活を送ることはできないので、パパママが将来の健康をふまえて、離乳食の時期を検討したいですね。

「赤ちゃんが離乳食を食べてくれない」という相談が医療機関には多く寄せられますが、もしかしたら離乳食の時期が早いのかもしれません。
赤ちゃんはきっと、本能で離乳食を拒否しているのでしょう。