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塩分の多い食事はウイルスに負けやすい?免疫力UPに減塩を!ドイツ・研究

新型コロナウイルスの感染拡大で「おうちごはん」が多くなりましたね。
宅配ピザをはじめ、デパ地下やスーパーのお惣菜などのテイクアウト、いわゆる「中食」の需要が伸びています。
その時に注意したいのが、塩分量です。
塩分の摂り過ぎは、高血圧の心配だけではなく「免疫系に悪影響」ということがドイツの研究でわかってきました。
免疫力をあげないといけない時期なので、詳細をよく読み解いておきましょう。

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塩分の摂り過ぎは免疫系に悪影響?

ドイツのボン大学の研究によると、高塩分食の摂取により、細菌感染症が重症化しやすいことがわかってきました。
動物実験の段階では確実に重症化することがわかり、人間の免疫細胞でも明らかに免疫力が損なわれるとのこと!

WHOの塩分推奨量は1日5グラム!

日本のナトリウム(塩分)推奨量は、成人男性で1日9.0グラム以内、成人女性で1日7.5グラム以内となっています。
ところが世界水準、WHOの推奨量はそれよりもかなり少なく「1日5グラム」です。
小さじ1杯分ということですね。

しかし、どこの国の人たちも、この量をはるかに上回る塩分量を摂っています。

塩分過多は免疫機能を大幅に低下!

塩分(ナトリウム)は、以前から血圧をあげ、それに伴い心臓発作や脳卒中のリスクを高めることで知られていますね。
しかし、免疫系に悪影響を及ぼしていることは、今まで見落とされていました。
これをドイツのボン大学の研究により初めて証明することができたとのこと。
予想外の結果ではありましたが、研究者たちは、今までは逆の「塩分摂取で一部の免疫機能が活性化する」という研究結果もあったことから、その説が間違っていることも証明できた、と述べています。

塩分が身体の免疫力を低下させるメカニズムとは?

食事から身体に入ってくる塩分は、まず腎臓でろ過され、尿中に排泄されます。
しかし、塩分を過剰に摂ると、腎臓は塩分排泄機能を活性化し、望ましくない副作用として「グルココルチコイド」という物質を体内に蓄積させてしまいます。
これが災いして、血液中の最も有力な免疫細胞である「顆粒球」の機能を阻害してしまうのです!

「顆粒球」の働きとは?

「顆粒球」は、マクロファージと同様に『食細胞』に分類されています。
『食細胞』とは、寄生虫ではなく、主に細菌を攻撃する細胞で、この攻撃力が不十分だと、体内でウイルスの感染は深刻化するのです。

マウスで実験したところ、「リステリア感染症」でこの現象が確認できたとのこと。
また高塩分食を摂取したマウスの脾臓や肝臓では、疾患を引き起こす病原体の数が100~1000倍にも膨れ上がっていたそう!
そのため「尿路感染症」を治すのにかなりの時間を要したそうです。

このように「顆粒球」の攻撃力が低下すると、様々なウイルス性の病気が悪化してしまうのです。

人間の免疫系も塩分過多でダメージ!

塩分の多い食生活は、人間の免疫系にも影響を及ぼすことがわかりました。
健康な成人にWHOの推奨量よりも1グラム多い、1日6グラムの塩分を含む食生活を、1週間送ってもらい、血液検査を行いました。
採取した血液から顆粒球の働きを確認したところ、病原菌への対処が有意に悪化していたそうです!
そして前述した、望ましくない副作用「グルココルチコイド」の数値も高くなり、さらに顆粒球の働きを阻害していたようです。
※参考:『サイエンストランスレーショナル医療』

日本人は免疫力が弱いかも!?

ここからは、筆者の個人的な推測です。

1日6グラムといえば、日本の国の塩分推奨量よりも少ない塩分量です。
それでも、これだけ免疫力が低下するので、日本人は免疫力がかなり弱いことになりますね。
前述したように、日本のナトリウム(塩分)推奨量は、成人男性で1日9.0グラム以内、成人女性で1日7.5グラム以内ですが、統計調査によると日本人の塩分摂取量の平均は10グラム以上ともいわれています。
家で自炊すると、塩分量が調整できますが、外食や中食(テイクアウトや宅配)の食品は、味をハッキリとさせるために、塩をかなり入れています。
気軽に食べやすいインスタント食品もしかり!
ナトリウムの摂り過ぎは、「カリウム」で調整できるので、野菜や果物を摂るよう心掛けて「カリウム」の摂取量も増やしておきましょう。

さいごに

不要な外出を控えるのもコロナ対策になるかもしれませんが、万が一の時、自身の身体の免疫力がカギとなります。
そのためにも、免疫力を高めるためにも、塩分の過剰摂取にならないよう、食生活もしっかりと管理しておきたいですね。