母乳育児で赤ちゃんの免疫力がUPする「新たな機序」とは? 英・研究
母乳育児は母子の健康維持に貢献する、と言われていますね。
母乳育児によって、赤ちゃんの免疫力がUPし、アレルギー反応などの予防につながるようです。
イギリスの最新・アレルギー研究の詳細を見てみましょう。
母乳育児は生後のぜんそくや肥満を防ぐ?
イギリスのバーミンガム大学の研究によると、母乳育児は、特殊なタイプの免疫細胞を増加するので、乳児の免疫機能を強化し、炎症を減らすのを助けるそうです。
先行研究では、人口育児のみで育った子どもと比べて、母乳育児で育った子どもたちは、後の「ぜん息」「小児肥満」「自己免疫疾患」などのリスクが低いことがわかっていました。
しかし、免疫学的には、詳細なメカニズムについては、ほとんどわかっていませんでした。
母乳育児の免疫力は人口育児の2倍!?
研究チームは、生後3週間を超えて、完全母乳育児であった乳児と、人工乳のみで育った乳児とを比較しました。
そうすると、完全母乳育児の赤ちゃんは、特殊なタイプの免疫細胞(制御性T細胞)の量が、ほぼ2倍も豊富に体内に存在していることがわかったのです。
このT細胞は、母親の細胞が母乳と共に、赤ちゃんに転移されるので、乳児の免疫応答を制御し、あらゆる病原となる「炎症」を減らしてくれるのだそう!
母乳由来のT細胞は腸内細菌も豊富に!
また、母乳を授乳している乳児には、制御性T細胞の機能を助ける「ベイロネラ」や「ゲメラ」と呼ばれる腸内細菌も豊富だとか!
この研究は、健康な母親38名から生まれた、38人の子どものデータを、3年にわたって追跡調査したものです。
38人の子どものうち、16名が完全母乳育児、9名は混合栄養、13名が人工乳のみで育っていました。
今後、研究者たちは、早産児の炎症性合併症の発症メカニズムの発見に、本研究成果を活かしたい、と述べています。
※参考:『アレルギー 』
さいごに
母乳育児は、赤ちゃんの免疫力UPにつながるとはステキですね。
「母は強し!」を証明するような研究結果でしたね。