日本でも母乳栄養が推奨されていますが、母乳には市販の粉ミルクにはない、様々な栄養成分が含まれています。
その1つに「オリゴ糖2'FL(2'-フコシルラクトース)」があります。
オリゴ糖はてんさい糖などにも含まれる成分ですが、母乳に含まれるオリゴ糖は、「2'FL」で少し種類が違います。
この「オリゴ糖2'FL」には、乳児の認知機能を発達させる作用があるようです!
アメリカの最新研究の詳細を見てみましょう。
母乳中の「オリゴ糖2'FL」に子どもの認知機能発育作用が?
アメリカのロサンジェルス小児病院の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
以前から、母乳で赤ちゃんを育てると、母乳中の成分で、乳児の発育に様々な良い影響を与えることが、わかっていました。
また先行研究でも、母乳中の「オリゴ糖2'FL」が赤ちゃんの「神経系」に何らかの影響を与えていることがわかっていましたが、具体的なことがわかっていなかったのです。
そこで、研究チームは、50組の母子を対象に、母乳中の組成を分析しました。
母乳栄養は2歳児の認知機能を有意に発達させる?
分析の際、生後1ヶ月から半年の授乳頻度を調査し、その後24ヶ月齢(2歳)になるまで、認知機能 の発育を検査し、測定しました。
その結果、生後1ヶ月の母乳に含まれていた「オリゴ糖2'FL」の量が、2歳児の認知機能発育と有意に関連していることがわかったのです!
同様に、生後6ヶ月の母乳に含まれている「オリゴ糖2'FL」の量とは関連が見られなかったそうです。
生後すぐは母乳栄養が望ましい!
この調査からも、生後すぐに、赤ちゃんに母乳を与えることが重要なようですね。
ママの産後の体調もありますが、最初が肝心なので、極力、生後すぐから母乳栄養で赤ちゃんに「オリゴ糖2'FL」を与えてあげましょう。
ちなみにこの研究では、『媒介分析(Mediation Analysis)』という統計手法を用い、「オリゴ糖2'FL」の効果を検出できたそうです。
※参考:『プロスワン』
さいごに
市販の粉ミルクも、ニーズに合わせて様々な工夫が凝らされている製品も多くなりましたが、やはり「母は強し!」母乳に勝るものはないようですね。
認知機能の発達は、今後の記憶力や学力にも関わってくる、大切な神経発達でもあります。
母乳で育てることで、ママの体調が改善されるというデータもあるので、母子両方の健康にも母乳栄養が望ましいと言えそうですね。