AnnaBabyTokyo

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子癇前症は食物繊維で低減?

妊婦さんの約10%に起きると言われている「子癇前症(しかんぜんしょう)」。
オーストラリアの最新研究で、妊婦さんが野菜や海草など食物繊維を多く摂ることで、リスクが低減されることがわかってきました。
詳細を見てみましょう。

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子癇前症とは?

妊婦さんの約10%(世界平均)に起きると言われている子癇前症は、高血圧、タンパク尿、重度のムクミなどの症状が特徴です。
子癇前症にかかると、お腹の赤ちゃんの免疫系の発達を弱めたり、生まれた後、アレルギー体質や自己免疫疾患に罹りやすくなる、とも言われています。

高食物繊維食が妊婦さんの腸内細菌に左右?

食物繊維が多い食事を摂っていることを「高食物繊維食」ともいいますが、特に妊娠期はこの食物繊維の摂取が多い方が、腸内細菌叢が良くなり、子癇前症の予防になることが、オーストラリアのシドニー大学の研究でわかってきました。

食物繊維は、腸内細菌を通して分解され、代謝され、そして免疫系に良い影響を与える代謝産物を作る働きがあります。
研究チームは、この食物繊維の働きに注目!
研究を進めていくと、腸内で食物繊維が醗酵されていくと、酢酸ができ、その酢酸が胎児の胸腺とヘルパーT細胞の発達に関与することが発見できたのです。

子癇前症は胎児の胸腺などを阻害?

子癇前症のお話に戻りましょう。
妊婦さんが子癇前症にかかってしまうと、お腹の赤ちゃんの胸腺の発達を阻害することがわかっていました。
胸腺は免疫器官でもあるので、これを防止しなければ、産まれてくる子どもは免疫力の弱い人間となってしまい、様々な病気で苦しむことになります。

そこで、妊娠期に食物繊維の多い食生活を送っておくと、子癇前症の予防になる他、胎児の胸腺の発達を促してくれるので、赤ちゃんの成長にも役立つとのこと。

妊娠期の腸活は特に大切!

この結果をふまえ、研究者たちは、妊娠期の腸内は、腸内細菌によって様々な代謝生成物を生み出すので、しっかりと食物繊維を補い、健康的な妊娠期を過ごすことが、母子の健康と赤ちゃんの健やかな健康を守る、と述べています。
※参考:『ネイチャーコミュニケーション』2019年7月

さいごに

お子さんの将来の免疫力UPのためにも、妊活中や妊娠期は、野菜や海藻、豆類などからしっかりと食物繊維を補い、健やかな代謝産物を作ってくれる腸内環境にしておきたいですね。