夜の運動は食欲減で減量に?
ここ数年、働き世代のパパやママのために、深夜まで営業しているスポーツジムが、都心を中心に増えてきましたね。
夜に運動をすると、睡眠の妨げになるのでは? という声も多いのですが、実際はどうなのでしょうか?
オーストラリアの最新研究をもとに夜の運動についてのメリットを見てみましょう。

夜の運動はよく眠れる!?
夜、運動すると、興奮して、夜眠れなくなるのではないか?
また、お腹がすいて、寝る前にたくさん食べてしまうのではないか?
と思いがちですよね。
しかし、オーストラリアのチャールズ・スタート大学の研究によると、夕方から夜にかけての運動は、ほどよく疲れるので、質の良い眠りにつけ、そして、空腹ホルモンの刺激も抑えることがわかってきました。
実験では、11名の中年男性を対象に、3つのグループに分け、それぞれ運動を行う時間を変えて、睡眠と食欲の関係について調査を行いました。
運動時間は、朝のグループ、午後からのグループ、夕方から夜にかけての3つです。
運動前後の血液を採取して、食欲関連のホルモンの状態を測定し、そして睡眠中にその状態の評価を行ったところ、夜に運動を行ったグループが一番よく眠れていたことがわかったのです。
午後または夜の運動で、空腹ホルモンが抑えられる!?
そして、午後から運動を行ったグループと、夕方から夜にかけて運動を行ったグループは、空腹感を刺激するホルモン「グレリン」の活性化が抑えられることもわかりました。
もちろん、朝の運動がよくないわけではありません。
朝の運動は食欲を旺盛にする傾向があるので、お子さんやスポーツ選手、そして年配の”やせ体質”が気になる方にはいいですが、体型維持やダイエット目的で運動を取り入れている方は、午後または夕方から夜にかけての運動の方が食欲を抑えられるようですね。
朝の運動は血糖値も上がりやすい?
また、運動と血糖値の関連を見ると、朝に運動を取り入れると、昼や夜の運動に比べて、血糖値が上がりやすいこともわかりました。
朝のウォーキングやジョギングを習慣にしている方で、ダイエット効果が見られず、ついつい食べてしまう人は、運動習慣の時間帯を変えてみると改善するかもしれませんね。
運動効果は昼と夜にパワーアップする!?
そして運動時の出力パワーは、朝ではなく昼と夜にパワーアップすることもわかりました。
特に筋トレや、ジムのランニングマシーン、”自転車こぎ”は筋力強化に役立ちますが、昼と夜に行った方が筋力もつき、よりよい運動作用が身につくようです。
※参考:『実験生理学』2019年2月
さいごに
運動効果は、昼からの運動でも得られそうですが、食欲を抑えたり、質の良い眠りと、総合的にみると、夕方から夜の時間帯の運動が一番目的にあいそうですね。
この実験は、中年男性を対象にした小規模のものだったので、少なくとも働き盛りのパパ世代は、大いに期待できることでしょう。
今後、女性やお子さんを対象とした研究も進んでいくようなので、期待したいですね。