ここ数年「腸活」が話題となっていますが、いろいろ試されている方も多いことでしょう。
様々な食物繊維が注目されていますが、本日は多くのダイエット食品や糖質オフ食品に添加されている水溶性食物繊維「イヌリン」についてお伝えします。
水溶性食物繊維「イヌリン」とは?
イヌリンは、ごぼうやチコリ、菊芋、アガペなどに多く含まれる水溶性食物繊維です。
イヌリンが体内に入ると、消化酵素では消化されないので、そのまま大腸に届いて働いてくれます。
日本では「難消化性デキストリン」という名称で、糖質オフやロカボを謳った商品の原材料としても使われています。
イヌリンは、こうした健康志向の高い加工食品のシェア60%を占めており、100%、前述したような植物、特に根野菜から採取されたものです。
イヌリンの特徴とは?
イヌリンは文字通り水溶性食物繊維なので、水に溶けやすく、食品にしっとり感や質の良い風味を与えてくれます。
欧米では、チコリ由来のイヌリンが、パンや乳製品に多く添加されています。
またイヌリンは、腸にダイレクトに届いた後は、腸内細菌のエサとなり、欧米でもイヌリンと腸活の関連性が、多く研究されているそうです。
イヌリンと腸活の関係とは?
食物繊維は水溶性食物繊維の他に、不溶性食物繊維もあり、この2つに大別されます。
不溶性食物繊維の方は、水に溶けない繊維質のことで、便のカサを増やし、腸壁に溜まった老廃物を掃除する役目などがあります。
一方の水溶性食物繊維であるイヌリンは、水に溶けるので、腸内細菌のエサとなった後、腸内細菌たちが、酢酸や酪酸、プロピオン酸などの「短鎖脂肪酸」を産生するのに役立ちます。
短鎖脂肪酸とは?
短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性にし、有害菌(悪玉菌)が棲みにくい腸内環境を作る脂肪酸です。
腸内の有害菌とは、具体的にはアンモニアなどの毒性物質のことを指します。
実際、イヌリンを食品から摂取したヒトは、腸内で有用菌(善玉菌)であるビフィズス菌などが増え、血糖値の乱高下も防げることが、イギリス、レディング大学の食品化学研究でわかっています。
※参考:『Eur J Clin Nutr』2007年10月
イヌリンが血糖値の乱高下を防ぐ仕組みとは?
実際、イヌリンを摂取すると、どのように血糖値の乱高下を防いでくれるのでしょうか?
まずイヌリンは、食事で摂った糖質を抱え込み、緩やかに吸収します。
そして前述の短鎖脂肪酸により、インスリンの分泌を高める消化管「GLP-1」というホルモンの分泌が高まるためだと考えられています。
イヌリンはこうした働きの研究発表が欧州で多く上がっていることから、ヨーロッパでは、イヌリンを含んだ食品のことを『健康強調表示』指定食品として認めているそうです。
日本でもイヌリンの機能性は、整腸作用、血糖値低下作用、中性脂肪低下作用、などの表示が許可されています。
さいごに
日本でもイヌリン由来の「難消化性デキストリン」を使ったダイエット食品は、一般のスーパーでも買えるようになってきましたね。
代表的なものにグリコの「SUNAO」シリーズのクッキーやアイスクリーム、ファミマ×Rizapコラボシリーズのケーキやプリン、パン類、そしてナチュラルローソンのブランパンシリーズやブランのクッキーやスナック菓子シリーズなどです。
どの製品も一食150kcal前後、糖質も10g前後になっています。
ぜひチェックしてみてください。
お菓子類をガマンするのではなく、お菓子を食べても、イヌリンが摂れる嗜好品は、ガマンせずにダイエットしたい人、腸活したい人にピッタリですね。