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太ってきた場合は低糖質ダイエットが効く?米・研究

低糖質ダイエット(糖質オフ・ダイエット)は、日本でも一般的になり、誰もが知る存在になりましたが、賛否両論が問われていますね。
長期にわたっての低糖質ダイエットは、カラダに害となることがありますが、やはり期限を決めて、肥満者や太りすぎてきた時のダイエット法としては有効なようです。
アメリカの最新医学研究の報告を見てみましょう。

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低糖質ダイエットは肥満者の短期減量に適している?

医師から「肥満」または「小児肥満」と診断されたり、その予備軍であった場合、その人たちの体内は、インスリンの分泌が多くなっているため、早めに体重を落として、普通体重にしなければ、他の病気に発展する危険度が高くなってしまいます。
これまでも、低糖質ダイエットは、短期間で体重を落とすには、空腹と戦わずに減量できることから、糖尿病の治療などで用いられてきました。
しかし、食品の栄養構成が、どのように適応しているかまではわかっていませんでした。
そこで、アメリカのボストン小児病院などの研究から、炭水化物(糖質)の摂取が、結局、空腹感を高め、血糖値を上げ、インスリンの分泌過多を引き起こしているので、その原因を一時的に断ちきることが、短期減量にいいことがわかってきました。

炭水化物(糖質)の摂取過多と体重増加の仕組み

炭水化物とは、糖質と食物繊維を合計したものの総称となるので、炭水化物でも、食物繊維の少ない食べ物は「糖質が高い」ということになります。
砂糖をはじめ、白く精製された小麦粉、炊き立ての白米などが該当しますね。
一方で食物繊維量が多い炭水化物である全粒粉小麦粉や玄米、いも類などは、糖質はさほど高くないことになります。

糖質の高い炭水化物は、この研究グループによると、食欲を司るホルモンに変化を引き起こし、空腹感を高め、さらに「食べたい」という欲求や行動力を高めるそうです。
そうして、ヒトはさらに糖質の高い炭水化物を食べ続け、体重増加をもたらすことがわかってきました。

また、研究チームは、炭水化物と脂質の比率と体重の増減について関連を20週間に及び、調査しました。

調査結果は?

研究では、18歳から65歳の過体重の人たち約230名を対象に、10週間の減量を試みてもらいました。
その結果、約160名が10%以上の体重減に成功しています。
その約160名の人たちを3つのグループに分け、次のステップとして、炭水化物を含む食事を摂取してもいました。炭水化物の摂取の割合は、
【高】60%、【中】40%、【低】20%
この3つです。

その上で、タンパク質や脂質、その他の野菜などを含んだ食事を20週間、続けてもらったところ、高炭水化物の人たちよりも、低炭水化物食の人たちの方が、有意にエネルギー消費量が高まり、体重減少につながったということです。

低炭水化物食の人たちは、高炭水化物食の人たちと比べて、1日平均200~280kclaほど、エネルギーを燃焼していたのです。
また、調査開始前は、ほとんどの人がインスリン分泌量が高い状態でしたが、低炭水化物食を取り入れた人たちは、正常値に近い状態に回復していたとのことです。

高炭水化物食は空腹ホルモンを刺激する?

この調査結果をふまえ、空腹や満腹の状態をコントロールするホルモン(グレリンとレプチン)は、炭水化物の摂取量に左右される可能性が高いのではないか? と研究者たちは推測しています。
特に、肥満や過体重のインスリン分泌量が多い人たちは、この方法でインスリン分泌量を正常値に戻すことのがいいのではないか、と述べています。
※参考:『英国医学雑誌(BMJ)』2018年11月

さいごに

日本で流行している「糖質オフ」は、中には完全に炭水化物をシャットアウトしましょう、というものもありますが、低炭水化物食は程度に炭水化物を摂るので、栄養バランスの崩れはさほど心配いりません。
ただし、太りすぎた体重を元に戻したり、医師から体重を落とすように忠告を受けている人が取り入れるもので、健康な人は、長期にわたっての食生活では取り入れないようにしましょう。

あまり炭水化物量を落としすぎると、健康な人の場合は、筋肉にグリコーゲンが蓄積されず、かえって、筋肉がつきにくくなる可能性もでてきます。
また脳へのグルコースやエネルギー供給量が減るので、集中力に欠け、効率の良い活動ができなくなるからです。

適宜、ご自分の体調や、体重とあわせて取り入れてみましょう。