AnnaBabyTokyo

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妊娠中の揚げ物は胎児に有害?

妊娠中のママは、お腹の中の赤ちゃんと2人分の食事を要するので、必要以上に過食になる人も多いことでしょう。
ここで気を付けなければいけない食材に、「揚げ物」が浮上!
揚げ物を摂り過ぎると、赤ちゃんの成長に悪影響となるそうです。
オーストラリアの最新生理学研究を見てみましょう。

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妊娠中の揚げ物は危険?

オーストラリアのグリフィス大学の研究によると、まだ動物実験の段階ではありますが、妊娠中の母ラットがリノール酸を含むエサを大量に摂った場合、妊娠合併症や、胎内の子どもの成長に影響を及ぼすことがわかってきました。

リノール酸とは、植物油に多く含まれる脂肪酸でオメガ6脂肪酸に分類されます。
ヒトが食品から摂取しなければいけない必須脂肪酸の1つではありますが、摂り過ぎると危険なようです。

リノール酸を摂り過ぎると心臓病などに

リノール酸は、揚げ物でよく使われるサラダ油や大豆油、米油、菜種油などのことを指します。

西洋諸国では、国民のポテトチップスの消費が多く、それを揚げている植物油にはリノール酸を多く含みます。
そのリノール酸の摂り過ぎによる心臓病のリスク増や、体内の炎症(腹痛や頭痛、関節痛など)が先行研究でも多く上がっていました。
そのため、グリフィス大学では、リノール酸の妊婦さんへの影響が研究されることになったのです。

リノール酸の摂り過ぎは胎児の成長阻害にも?

研究では、妊娠したラットに1日のリノール酸推奨量の3倍量を含むエサを与えたところ、胎児に影響があることがわかりました。
胎内が高リノール酸で満たされた母ラットは、肝臓の炎症性タンパク質濃度が変化するので、子宮の収縮を引き起こすタンパク質濃度が増加してしまうそうです。
こういった現象は、妊娠合併症や胎児の発育不良を引き起こす原因となるのです。

ラットはマウスと同様、ヒトと生体構造が大変似ている為(体内でビタミンCが合成できないなど)、妊婦さんはリノール酸をくれぐれも摂り過ぎないよう、注意が必要だと研究者たちは述べています。

10週間高リノール酸食を食べると?

ラットを使った実験では、10週間、高リノール酸の食事を与えて、母ラットと、胎児の成長を記録しました。
主に、母と子の体重、組織重量、肝臓の炎症性タンパク質、コレステロール、レプチン濃度などの推移が詳細に観察されました。

その結果、ラットは1度に複数の仔ラットを産みますが、高リノール酸のエサを食べていた母ラットからはオスの数が極めて少ないこともわかってきました。

妊婦さんは特に栄養の偏りに注意!

まだ動物実験の段階ではありますが、研究者たちは、この結果は、油分過多の食事がいかに胎児に影響するかを見極める重要な結果であると述べています。
ヒトにおいては、油分過多の食事が多い人の特徴として、揚げ物以外にも、砂糖や食塩、他の脂質(肉類や乳製品)を好んで食べるケースが多いとのこと。
こういった食事を、妊婦さんが続けた場合、即、胎児に悪影響となるので、主治医の指示に従い、特に栄養管理を怠らないようにすることが、重要だともコメントしています。※参考:『生理学雑誌』2019年5月

さいごに

妊娠中は、体力も消耗するので、エネルギーアップに揚げ物が食べたくなる日もあるでしょう。
しかし、妊娠中はカロリー計算なども取り入れて、揚げ物を始め、脂っこいものやスナック菓子、ドーナツ、生クリームなどの乳製品の摂取にも気を付けておきましょう。