AnnaBabyTokyo

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立ち食いは嫌いな物を美味に?

夏になると花火大会の屋台や、バーベキューなど、「立ち食い」の機会も増えますね。
アメリカの行動研究によると、ヒトは、立ち食いすると、1部の味覚のセンサーに影響して、苦手な食べ物の味が気にならなくなるそうです。
好き嫌いの多いお子さんの改善に役立つかもしれません!?

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「立ち食い」は味覚を変える?

アメリカの南フロリダ大学の行動研究で、ヒトの食べる時の姿勢に関して調査が行われました。
調査内容は、人間の平衡感覚と味覚の相互作用についてです。
その結果、ヒトは数分間の立ち姿勢でも、身体的にストレスを感じ、その影響で舌に存在する「味蕾」の感受性を低下させることがわかりました。
「味蕾(みらい)」とは、舌の表面にあるザラザラとした無数の突起のことで、ヒトはここで食べ物の味を感知しています。「味覚センサー」とも呼ばれているものです。

立ち姿勢は、味覚にどんな影響を与えるの?

立ち姿勢が及ぼす、味覚への影響を、もっと詳しく見てみましょう。
ヒトが立ち姿勢の状態だと、重力で血液がカラダの下部に廻っていきます。
それを防ぐために、心臓がより活発に動いて、血液がカラダの下部に溜まらないよう、上部に血液を送り出すので、心拍数が上がってきます。
この一連の動作で、脳も活性化して、ストレスホルモンの「コルチゾール濃度」を上昇させるそうです。
このストレスホルモンが味覚を鈍くしているので、食べ物の味や、摂取量に影響を与えているそうです。

お祭りなどの屋台で食べる”焼きそば”は、美味しく感じますよね。
しかし、家に持ち帰って食べるとまずく感じるのは、単に風味が落ちているのではなく、「立ち食い」で味覚が麻痺していたのかもしれませんね。

実験では!?

立ち食いした時の、カラダのカラクリがわかったところで、実際、ヒトはどう感じているのでしょうか?
研究では、350人を対象に行動調査が行われました。
甘いブラウニーと、塩入ブラウニーを食べてもらい、立って食べた時と、座って食べた時の感想を集めたところ……!?
塩入ブラウニーを立って食べた人は、さほどブラウニーの味の変化に気づいていないことがわかりました。
そして通常の甘いブラウニーは、座って食べた人の方が、より美味しく感じていたようです。

荷物を持った状態で食べるとまずくなる?

さらなる実験で、試食のフルーツスナック食品を、スーパーやフードコートで買い物客に配ったところ、荷物の多い人ほど、試食品の評価が悪く、手ぶらに近い人たちほど「おいしい」と回答した数が多かったそうです。

荷物を持っていると、確かに平衡感覚が狂うので、味覚もおかしくなるのかもしれませんね。

お子さんの好き嫌い克服や猫舌対策に「立ち食い」を

研究者たちは、同じ食べ物でも、立ち食いや座り姿勢で、味の感じ方が違うので、お子さんの好き嫌い克服や、苦い薬を飲まなければならない時に、立ち食いは有効手段だと述べています。
また立ち食いは、飲み物など、食品の温度の感じ方も違うようで、熱いコーヒーやスープは、立ち姿勢なら気にならないそうです。
「猫舌」対策にも立ち食いは有効なようですね。
※参考:『消費者研究雑誌』2019年5月

さいごに

日本では「立ち食い」はお行儀の悪い行為となりますが、立食パーティーや、バーベキュー、屋台、立ち飲み屋、コーヒースタンドなどなど、立ち食いの機会は意外と多いものです。
バーベキューの時なら、ピーマンやニンジン、玉ねぎなど、お子さんの嫌いな野菜も、美味しく食べてもらえるかもしれません!
この人間の味覚のクセを覚えておいて、日々の食生活に役立ててみましょう。