体内の栄養バランスから寿命が予測できる時代に?オーストラリア・研究
世界各国の統計データより、主要栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)の栄養バランス状況と、各年代の死亡リスクが関連しているようです。
オーストラリアの最新研究を見てみましょう。
栄養不足から浮かび上がる様々な死因と寿命
オーストラリアのシドニー大学の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
統計により、2016年までのデータから、栄養不足の証拠が蔓延していることも、わかってきました。
特にタンパク質の供給が問題とのこと。
最適な供給は世代によっても、異なることが見えてきました。
世界103ヶ国の食糧供給データを解析
研究チームは、世界103ヶ国の食糧供給データと、約2,000件の生命表を使用して、エネルギー摂取量と主要栄養素のバランスを割り出しました。
同時に、年齢別死亡率に及ぼす影響も検討されました。
様々な要因を差し引いても、主要栄養素の供給量は、年齢別の死亡率の強力な因子となりました。
若年層の死亡リスクは高脂肪高タンパク!
若い世代の死亡リスクは、比較的高脂肪(エネルギー比率40%)、高タンパク質(エネルギー比率16%)であることがわかりました。
しかし、歳をとってからは、脂肪のエネルギー比率を減らし、炭水化物に置き換えることで、死亡リスクは最小となることがわかりました。
高齢者は炭水化物が重要か?
これまでの研究では、高齢者は筋力の低下に伴う「フレイル」などの予防から、炭水化物よりも、タンパク質をしっかりと摂るよう注意喚起が促されていました。
しかし、この研究結果より、研究者たちは、
50歳以上で死亡率を最小限に抑えるには、炭水化物の供給が重要だということがわかった。
これは、個人が何を食べるべきかについてのガイドではない。
と述べています。
※参考:『国立科学アカデミー論文集』
さいごに
糖質オフブームの影響で、炭水化物を抜いてしまう人、炭水化物を食べると罪悪感を感じる人が多くなりましたね。
糖質オフブームが到来して、10年近くたちますが、新たな死因は、その辺りも影響しているのかもしれません!?
スイーツやジャンクフード、加工食品から炭水化物摂取はオススメできません。
米や雑穀類、全粒粉小麦粉など、良質な炭水化物も取り入れるようにしたいですね。