昨日の記事で、健康診断の数値から動脈硬化や脂質異常症を読み解く方法をお伝えしましたが、本日は、それ以外にも潜む、注意信号をお伝えいたします。
特に男性は女性よりも3倍も動脈硬化のリスクが高いので、注意しておきましょう。
高血圧や高血糖
高血圧は、血管壁が強く圧迫される状態が長く続くので、血管が傷つき、プラークという膨らみが破れやすくなり、動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。
そして飲酒やスイーツなどの摂り過ぎ、また糖尿病と診断された方は、血糖値の高い状態が続くことになるので、血液中のLDLにブドウ糖が結合し、血管壁に侵入してしまう恐れがあります。
この浸入が動脈硬化を引き起こすことになるので、血糖値が高い人は早めに禁酒、スイーツやパン食などの糖質を控える対応を!
脂質異常症、メタボ、過体重
内臓脂肪がたまってくると、脂質異常症や高血圧、高血糖の合併症で起こるメタボリックシンドロームが懸念されます。
1つずつ見ると、そう大きな疾患ではないように思えますが、これらを発症すると、原因が似ている為、重なることが多く、そうすると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる疾患へ発展することもあります。
メタボでの脂質異常症は、HDLコレステロール値の低下と、中性脂肪の増加のみを指しており、LDLコレステロールとは区別されています。
LDLコレステロール値が高いと、それのみで動脈硬化を進行させる危険因子となるので、LDLコレステロールの数値が高く、メタボと診断されている人は、動脈硬化の可能性も高いということになります。
喫煙習慣
喫煙は、動脈硬化に伴う狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす危険因子です。
喫煙者の方は、肥満などの心配が少なくても、これらの危険性が高まると考えられています。
またご自身がたばこを吸わなくても、周りに喫煙者が多い場合、受動喫煙となり、これもまた動脈硬化の危険が高くなることがわかっています。
そして、喫煙はたばこの煙がよくないと思われがちですが、煙の出ない新型たばこも危険性が指摘されているので、注意が必要です。
男性であることも危険因子?
女性の場合、女性ホルモンに守らて、LDLコレステロール値の上昇が抑えられている部分もありますが、男性の場合、それがないので、女性と比べると、動脈硬化のリスクが3倍も高くなっています。
しかし、女性も閉経後は女性ホルモンの庇護下ではなくなるので、男性同様にLDLコレステロール値が高くなりやすいと考えておきましょう。
加齢
加齢は、誰しもいつかは訪れることなので、致し方ないことですが、細胞や血管の「老化」は食習慣や生活習慣で、アンチエイジングは望めるものです。
野菜などの摂取を増やし、飲酒や喫煙を控えていけば、体内の老化による動脈硬化のリスクが軽減されるでしょう。
慢性腎臓病
慢性腎臓病とは、糖尿病や高血圧などが原因となり、腎臓の機能が低下してしまう病気のことです。
進行すると、人工透析の治療などが必要となり、また動脈硬化が進行して、心筋梗塞や脳梗塞が起きやすくなる怖い病気です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に、一時的に呼吸が止まる病気で、その時に動脈硬化が進行しやすくなると考えられています。
高尿酸血症
血液中の尿酸量が、異常に増える病気で、痛風の発作を引き起こします。
この病気も動脈硬化を引き起こしやすい病気の1つに挙がっています。
さいごに
以上が動脈硬化の危険因子と言われる病気や生活習慣ですが、日本動脈硬化学会のHPに予測ツールが掲載されているので、心配な方は数値を入力して利用してみましょう。
⇒ 冠動脈疾患発症予測ツール これりすくん
明日の記事で、動脈硬化予防や改善となる食生活や運動などをご紹介します。
健康診断の数値などは、昨日の記事もあわせてお読みください。