日本国内では、まだ7,000人ほどしか患者さんがいない「多発性硬化症」をご存じですか?
若い世代の女性に多い病気で、突然目が見えにくくなったり、足や腕にしびれを感じたり、暑さ寒さが感じにくかったりと、神経に支障をきたす病気です。
その予防や改善に野菜摂取がいいことがアメリカの最新栄養研究でわかってきました。
「多発性硬化症」とは?
冒頭のように「多発性硬化症」は、若い世代の女性に多い病気です。
日本ではまだ7,000人ほどですが、診断が難しい病気なので、誤診で発見されてないケースも想定できるようです。
自己免疫力が衰えて、大脳や小脳、視神経、脊髄などの神経に支障をきたすため、手足のしびれ、目が見えにくい、暑さ寒さがわからない、フラフラする、お小水が出にくいなどの症状が現れます。
こうした症状が疑わしい場合は、内科や心療内科などではなく、「神経内科」で診てもらうと誤診が少なく、適切な治療が受けられるようです。
「多発性硬化症」は食事や運動で改善しやすい?
「多発性硬化症」は、今日では、自己免疫疾患の一つとして知られるようになりましたが、治療すると症状はなくなっていく病気です。
神経系の病気は精神疾患と間違えられやすいですが、神経は筋肉内にも張り巡らされているため、軽い運動やストレッチを取り入れることで、全身の血流やリンパの流れがよくなり、快方に向かうそうです。
そして、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校の研究によると、「多発性硬化症」の患者さんに、野菜が豊富な食事と軽い運動プログラムを提案することで、多くの患者さんが快方に向かうこともわかってきました。
「多発性硬化症」はカラダの疲労をなくすと快方に
どんな病気にも言えることですが、「多発性硬化症」もご多分に漏れず、「自身の身体の疲労を軽減する」ことが先決だそうです。
研究では、「ワールスダイエット」と呼ばれる、野菜・果物を中心とし、適量の白肉(鶏肉など)、魚介類、植物性タンパク質、ビタミンB群を含んだ食生活を送るよう指示されています。
この食事法の特徴はグルテン(小麦粉製品全般)と乳製品、卵を摂取してはいけないそうです。
この食事法を「多発性硬化症」の患者さんに指示したところ、研究者たちは、
「血中高密度リポたんぱく質(HDL)-コレステロール濃度を高め、疲労を緩和する効果があるかもしれない」
と述べています。
これに軽い運動やストレッチを入れることも大切なのだそうですが、やはり食事療法が一番、身体の疲労をとり、「多発性硬化症」の改善につながったそうです。
カギはコレステロールと筋肉?
HDLコレステロールの数値は、高血圧などの生活習慣病を測る指標としても重要ですが、神経が張り巡らされている筋肉への疲労度にも関与しています。
コレステロールと筋肉の組み合わせは、細胞の呼吸にも影響してくるので、自己免疫力にもおのずと影響してきます。
自己免疫力が強化されていれば、女性に多い、「多発性硬化症」の心配は少なくなるでしょう。
※参考:『プロスワン』2019年6月
さいごに
「多発性硬化症」は、日本ではまだ聞きなれない病気ですが、女性なら誰しも「もしや?」と思える症状が特徴なので、意外と患者数は多いのかもしれません!?
20~30代の若いママ世代は特に、注意しておきたいですね。
「多発性硬化症」を予防するためにも、野菜&果物を中心に、小麦製品や乳製品、卵類の摂取を日ごろから控えておきたいですね。