AnnaBabyTokyo

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健康診断の数値で動脈硬化、脂質異常症を読み解こう

そろそろ健康診断の時期に差し掛かってきましたね。
先日の肝機能検査の記事に引き続き、本日は、動脈硬化や脂質異常症を読み解く数値についてです。
メタボが気になる人、スリムだけど隠れ肥満が気になる人は、健康診断の血液検査より、危険信号を早めに読み解き、悪習慣などを改善しておきましょう。

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動脈硬化の仕組みとは?

動脈硬化とは、血管壁の内側に、血液中のコレステロールなどが入り込んで、プラークという膨らみができてしまうことを言います。
このプラークが大きくなってくると、血管の内部が狭くなって、血液の流れが悪くなります。
また、このプラークの被膜が破れてしまうと、血液の塊「血栓」ができます。
そして血栓が血管の内部に詰まってくると、その先に血液が流れないので、様々な不調や病気が発生するのです。

動脈硬化が影響すると!?

動脈硬化は、全身に血管が張り巡らされているので、どの血管でも起こりうる現象です。
中でも、重篤な病気につながるのが「冠動脈」で起こる動脈硬化です。

  • 最初に起こるのが狭心症
    冠動脈は心臓を動かす「心筋」という筋肉に、酸素や栄養を送っているので、致命傷となる場合があります。
    また冠動脈が動脈硬化によって狭くなると、「狭心症」と呼ばれる病気も引き起こします。
    狭心症になると、軽い運動をしただけで胸に圧迫感を覚えたり、胸が苦しくなるといった症状が出てきます。
  • 次は心筋梗塞に
    これがさらに進んでしまうと、今度はプラークの被膜が破れ、血栓が詰まり出すと「心筋梗塞」を発症します。
    心筋梗塞になると、胸が締め付けられて苦しい痛みを覚えます。
    この苦しさは血栓が詰まって血流を徐々に止めていることをさし、やがて心筋が壊死します。
  • 突然死を招くことにも
    心筋の壊死が広範囲に広がると、突然死を招くこともあります。
  • 脳梗塞を招く場合も
    また脳の血管に動脈硬化が起こって、血流が詰まると、脳梗塞を起こし、手足のまひや、ろれつが回らなくなるといった症状を引き起こします。

これらは悪い生活習慣や、食生活による肥満や過体重など、ちゃんと前兆はあるので、こうした重篤な状況になる前に、カラダの不調のサインをキャッチし、健康診断の数値を読み解いて、対策を練っておきましょう。

2種類のコレステロールと動脈硬化の関係

コレステロールは悪者のように思われていますが、細胞膜やホルモンの材料になるという重要な脂質の1つです。
肝臓でつくられてから、一旦、LDLという粒子になってから血液中に放出されますが、
生活習慣や脂質・糖質の多い食生活で過剰につくられてしまうと、余剰分のLDLは血管壁の内側に入って動脈硬化を引き起こしてしまうのです。
そのため「悪玉」という名がついています。

一方「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLは、細胞中の余分なコレステロールを回収する粒子で、肝臓に戻す働きがあります。
そのため善玉と呼ばれているのですね。
余分なコレステロールを回収するHDLが減少しても、動脈硬化は起こりやすくなります。
これが健康診断の数値にあるLDLコレステロールとHDLコレステロールの正体です。

中性脂肪と動脈硬化の関係

健康診断の数値にある脂質には、もう1つ「中性脂肪」があります。
この中性脂肪が増えすぎると肥満や過体重になっていきます。
また、血液中に中性脂肪が増えすぎると、LDLの粒子が小型化するという現象が起きます。
粒子が小さくなるということは、さらにLDLが血管壁の内側に入りやすくなることを意味し、動脈硬化が起きやすい状態を招くのですね。
中性脂肪の増加は、HDLに対しては、量を減らしてしまう傾向があるので、余剰分のコレステロールの回収が進まず、さらに動脈硬化が進むことになります。
そのため、中性脂肪の数値も高いと危険ということです。

健康診断の数値、LDL、HDL、中性脂肪をチェック

健康診断では、コレステロールや中性脂肪の値を、空腹時の血液検査で調べています。
範囲は以下の通り。

  • LDLコレステロール 140mg/dL以上
    (境界域120~139mg/dL)
  • HDLコレステロール 40mg/dL未満
  • 中性脂肪 150mg/dL以上

となっています。
この数値が1つでも範囲からはずれると「脂質異常症」と診断されます。
そして、LDLコレステロールは狭心症や心筋梗塞への影響が大きいと考えられているので、くれぐれも基準値を超えないようにしましょう。
ちなみに、HDLコレステロールの数値は、一般に高めの方がいいと言われています。
上記からもわかるようにHDLコレステロールだけ範囲が「未満」となっているので読み違わないよう覚えておきましょう。
ただし、極端に高い場合(90mg/dL以上)は逆に狭心症や心筋梗塞の死亡率が高まることが近年の研究でわかっています。
※参考書籍:『エッセンシャル臨床栄養学第8版』医歯薬出版2016

さいごに

本日は長くなるので、健康診断での範囲の読み解き方と、動脈硬化の仕組みや原因をお伝えしましたが、明日の記事で、動脈硬化を進行させてしまう、危険因子のリストをお届けします。
喫煙や飲酒習慣のある人は要注意です。