今週のお題「応援」
近年、地球温暖化や汚れた空気で、アレルギーに悩む人が増えていますね。
お子さんもしかり。
子供の頃にアレルギーがあると、脳の発達にも影響して、学業成績が伸び悩み、進学にも影響する場合があります。
汚れた空気が、特にまだ抵抗力のないお子さんに、どう影響するのか? カナダの最新免疫学研究を見てみましょう。
汚れた空気は特に妊婦さんと赤ちゃんに影響しやすい!?
汚れた空気の中で生活していると、ある程度抵抗力のついた成人でも体調を崩します。
それが、妊婦さんや新生児となると、確実に胎児や赤ちゃんに影響して、2歳児で何らかのアレルギーに対する感受性が高くなるそうです。
このことは、カナダのクリーンズ大学の最新研究でわかってきた事実です。
汚れた空気の正体は?
研究者たちは、ほとんどの乳幼児が、汚染された空気の中やアレルゲンにさらされて生活せいているため、2歳児でアレルギーに対する感受性が高くなるのだ、と述べています。
その「汚れた空気」や「アレルゲン」の正体とは、何なのでしょうか?
研究によると、「花粉」「黄砂」「PM2.5」といった環境汚染だけではなく、どこの家にも潜むアレルゲン物質の影響が最も大きいそうです。
それは、「犬・猫などのペット」「芳香剤」「キャンドル」「カビ」「副流煙(タバコ・お香など)」「カーペットのほこり・ダニ」などが原因物質としてあがってきています。
これらが最も小児アレルギーを起こしやすいそうです。
「キャンドル」「副流煙」「猫」が一番危ない?
アロマキャンドルやタバコの煙、そして芳香目的でのお香など、何らかの煙を発するものは、妊婦さんに影響しやすく、生前からその汚れた空気が赤ちゃんに悪影響を与えてしまうそうです。
そして「猫」の存在も生後半年の赤ちゃんに悪影響を与えているようです。
前述の「何らかの煙(副流煙)」と「猫」は2歳児の皮膚パッチテストで、高い確率で「陽性」反応が出ている、とのことです。
つまり、この2点の原因物質で、お子さんが何らかの小児エネルギーにかかりやすい、ということです。
猫好きの方にはショックかもしれませんが、「猫アレルギー」という言葉があるように、犬よりもアレルギーにかかりやすいようです。
全ての原因物質を調査した結果は?
「副流煙」と「猫」が一番アレルギーになる可能性が高い、というだけで、他の原因物質もあなどれません。
研究では、他の物質についても、108組の母子を、赤ちゃんが2歳になるまで追跡調査を行いました。
まず、「出生前」「生後半年」「1歳」「2歳」の時点で、「芳香剤」「キャンドル」「カビ」「猫」「犬」「カーペット」「タバコ」についての影響が測定されました。
各時点で、母子両方に皮膚パッチテストを行い、アレルゲンへの反応を解析しました。
その結果、子供が2歳になるまでは、母子ともに屋内で過ごす時間が長いため、一般家庭内での原因物質によるアレルギーが多くなることがわかりました。
子供は呼吸数が多いので、汚れた空気に汚染されやすい?
調査をふまえ、母親と比べて、乳幼児がアレルギーにかかりやすいのは、「呼吸数」の問題ということもわかってきました。
研究者によると、
「子供は大人よりも1分あたりの呼吸回数が多く、まだ鼻呼吸ができないので、ほとんど口から呼吸します。そのため、大気汚染物質が肺に深く浸透して、原因物質の濃度が体内で高くなり、大気汚染物質の影響を受けやすい。
と述べています。
※参考:『アレルギー、ぜんそくと免疫学年報』
さいごに
ご家庭でタバコを吸っていなくても、「猫」を飼っていなくても、ハウスダストとして、家の中には、「カビ」「ダニの死骸」「ホコリ」「花粉」「黄砂」などが渦巻いています。
今は家の中を換気したくても、窓から花粉や黄砂などが入る心配もあるので、空気清浄機や掃除をこまめにするなどして、家の中の空気をクリーンにしておきたいですね。