AnnaBabyTokyo

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オメガ6脂肪酸で喘息が悪化?

オメガ3系脂肪酸の健康効果は、記憶力UPや認知症予防、脂肪燃焼など続々と研究発表があがっていますが、小児喘息やアレルギー、そして大気汚染の影響による肺疾患などにも良い影響があることがわかってきました。
アメリカの最新医療研究を見てみましょう。

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オメガ3系脂肪酸は重度の小児喘息を改善?

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究で、オメガ3系オイルとオメガ6系オイルを用いて、喘息などの肺疾患との関連について調査が行われました。

すると、食事中のオメガ3系レベルが高い子どもは、喘息の重症度は低く、そして大気汚染の粒子にも反応しにくいことがわかってきました。

一方、食事中のオメガ6系レベルが高い子どもは、大気汚染の粒子に反応しやすく、その分、喘息の重症度も高くなることもわかりました。

そのため、研究者たちは、食事から摂る脂肪酸の質は、肺の健康度を左右すると述べています。

オメガ3系脂肪酸とは?

オメガ3系脂肪酸は、魚介類の中でも特に、青背魚に多く含まれる脂肪酸のことで、DHAやEPAなどのことを指します。
青背魚は、サンマ、アジ、イワシ、サバ、アユ、などです。
他の魚介類ではサケやまぐろ、かつおなどに含まれます。

また、植物油でも摂取することができ、亜麻仁油やエゴマ油、インカチンキオイル(グリーンナッツのオイル)があります。

他には生のナッツ類にも含まれています。
クルミやアーモンド、カシューナッツ、アカデミアナッツなどですが、一般のスーパーで購入できる製品はほとんどがローストされたものなので、それらにはDHAやEPAはほとんど含まれません。
必ずパッケージを見て、「生」のナッツ類を購入するようにしましょう。

オメガ3系脂肪酸は、酸化に弱いので、長時間空気にさらしたり、加熱調理すると消失するので、魚介類は焼きたてスグのものを食べるか、お刺身やお寿司で頂くといいでしょう。

植物油もお料理の仕上げにかけたり、飲み物に混ぜていただきましょう。

オメガ6系脂肪酸とは?

オメガ6系脂肪酸も必須脂肪酸として、補わなければいけない脂肪酸の1つなのですが、総じて現代人は摂り過ぎています。
オメガ6系脂肪酸は、ほとんどの植物油に含まれており、菜種油(キャノーラ油)、ごま油、大豆油、ベニバナ油、コーン油、そして加工油であるサラダ油などです。
植物油脂でできているマーガリンなどにも含まれます。

これらは、揚げ物料理や炒め物、多くのスナック菓子などで使われており、自分では意識していなくても、ほとんどの加工食品に入っています。
そのため、知らずに摂取しすぎているのですね。

このオメガ3系脂肪酸の摂取が多いと、体内はオメガ6系濃度が高くなり、前述のように肺疾患にかかりやすいようです。

オメガ6系脂肪酸は炎症を加速させる?

オメガ6系脂肪酸の摂取が多いと、一般に、体内で様々な炎症を加速させると考えられています。
揚げ物好きの人がメタボや小児肥満になっているように、体内で炎症が起こっていると、消化や代謝作業がうまくいかず、老廃物が溜まっていくのでカラダは肥満してきます。

そして小児肥満の子どもに、小児喘息が多いのも、この炎症から来ると考えられており、食事からのオメガ6系脂肪酸の摂取が多すぎるとも言えるそうです。

もし、お子さんの喘息が疑われるようなら、スナック菓子やドーナツなどの揚げ菓子を与えすぎていないか? ご飯のおかずに揚げ物が多くないか? 食事内容を見直してみましょう。

アメリカの喘息が多い地域の食事内容は?

前述の研究では、食事調査も行われました。
アメリカの多くの都市部では、小児喘息率が全国の平均2倍以上も高いことがわかっています。
これは国の指針から大きく外れた食事を摂っており、オメガ6系脂肪酸の摂取過多を指している、と研究者たちは述べています。
都市部では食事内容も便利なインスタント食品やテイクアウトの揚げ物が多く食べられているので、自然とオメガ6系脂肪酸の摂取過多となります。
その上、都市部は大気汚染もひどいので、なおさら喘息にかかりやすくなるのだそうです。

研究では、特に子どもたちの食事に、高レベルのオメガ6系脂肪酸を含んでいると、PM2.5などの大気汚染粒子が体内で反応して、高い確率で炎症を引き起こす「好中球」が活発化し、喘息の原因となっていると、発表しています。

※好中球とは、血液中で炎症を引き起こす白血球の一種です。
※参考:『American Thoracic Society』2019年3月

さいごに

日本の都市部でも、PM2.5などの大気汚染は問題視されていますね。
また都市部で暮らす子どもたちは、友働き世帯が多いので、オメガ6系脂肪酸を多く含む、加工食品やインスタント、揚げ物の摂取量も多いことでしょう。
こうした背景がお子さんの小児喘息を引き起こしているかもしれません。

この研究は主に子どもを対象とした調査が行われましたが、成人の喘息も増えてきており、喘息が起こるメカニズムは同じなので、オメガ6系脂肪酸の摂り過ぎには、大人も充分、注意し、オメガ3系脂肪酸の摂取を増やしたいですね。