ダイエット飲料は結局太る?
お子さんは総じて甘い加糖飲料を好むものですが、小学校高学年ぐらいになってくると、早くも容姿も気にして、ダイエット飲料を飲みだす子も出てきますね。
親の影響などもありますが、こうしたダイエット飲料は、結局、ダイエット効果はなく、結果的に太ることになるようです。
アメリカの最新小児肥満の研究報告を見てみましょう。
ダイエット飲料を飲んでもダイエットにならない?!
アメリカのジョージワシントン大学では、未成年者を対象とした研究で、ミネラルウォーターで水分補給をしている者と比べて、意識的に低カロリー飲料を選んで飲んでいる者は、飲料の摂取カロリーが平均200kcalほど多いことがわかったと発表しています。
低カロリー飲料とは、ダイエットソーダや無糖(人口甘味料)のエナジードリンク、微糖のジュースやコーヒー、乳飲料などを指します。
低カロリー飲料を飲む人は結局食べている?
研究では、アメリカの国民健康栄養調査の2011年から2016年のデータをもとに、約7,000名の未成年者のデータを解析しました。
低カロリー飲料から主に水分補給をしていると答えた未成年者は、ミネラルウォーターで水分補給をしている者と比べ、結局飲料からのカロリーも多く摂っていました。
低カロリー飲料は、例え無糖であっても、水やお茶、ブラックコーヒーではないので、何らかの原料のカロリーが含まれます。
そのため、糖質は控えめでも摂取カロリーとしては結果的に多くなっているのですね。
そして、こうした飲料を利用している未成年者は、結局、他の食品も多く摂取している傾向が高いこともわかりました。
低カロリー飲料でも加糖飲料でも結果はほぼ同じ?
加糖飲料から主に水分補給をしている人は、ミネラルウォーター派の人たちよりも、1日の総カロリーは450kcalほど余分に多く摂っていることになります。
しかし、食品と飲料、総合の総摂取カロリーでみると、低カロリー飲料から水分補給をしている人も、加糖飲料からの人も、1日の余分なカロリー摂取の合計はほぼ同じということでした。
低カロリー飲料を利用している人は、「飲み物でカロリーを抑えている!?」という自負があるためか、他の食品は少々食べ過ぎても大丈夫? という心理作用があるのかもしれませんね。
整理すると
お話を整理すると、
加糖飲料から水分補給をしていると、1日で余分な総カロリーが約450kcal多くなります。
そして低カロリー飲料から水分補給をしている人は、飲料だけの余分なカロリーは、200kcalほどですが、食品も含む1日の余分な総カロリーは、加糖飲料の人と変らない。
ということです。
加糖飲料派の人は、飲み物が甘い分、食品から余分なものをあまり食べていないのでしょう。
しかし低カロリー飲料派の人は、飲み物でカロリーを抑えているつもりでも、結局、約250kcal分、余分なものを食べている、ということです。
研究者たちは、加糖飲料も低カロリー飲料も、水分補給の飲料としては適切ではないので、特に成長期の者は、ミネラルウォーターを中心とした水分補給を推奨する、と述べています。
※参考:『小児肥満』2019年5月
さいごに
日本では、緑茶やほうじ茶など、「日本茶」から水分補給をする風習があるので、諸外国と比べて、加糖飲料で主な水分補給を行う人は少ないかもしれませんね。
しかし、これから熱中症に気を付けなければいけない季節となるので、エナジードリンクやスポーツドリンクなどの加糖飲料の利用は、適量を守って利用するようにしましょう。