お子さんの食べ物の好き嫌いは、どこのご家庭でも苦戦されていることでしょう。
その問題は世界共通の問題でもあり、このほど、アメリカのワシントン州立大学で、意外とシンプルな方法でこの問題を克服できる!? という論文発表がありました。
詳細を見てみましょう。
子どもの食べ物の好き嫌いは簡単に改善できる?
「カラダにいいものを食べて、健やかに育ってほしい!」というのが、親心というものですよね。
しかし、お子さんの好き嫌いは、成長期独特の生理的なものもあるので、なかなかうまくいかないものです。
そこで、ワシントン州立大学がこの研究に乗り出し、お金もかからず、手軽にできる方法が発見されました。
ただし、気長に続けることが必要だそうです。
子どもが悩んでいることを話題にする!?
その方法とは!?
「これを食べると走るのが速くなるよ」など、子どもの向上心に響く言葉をかけて、嫌いなものを食べさせるといいようです。
実際に、幼児を対象とした実験で、子どもに「大きくなりなかったらもっとお豆を食べるといいよ」と肯定的な言葉をかけると、それまで豆類に興味を示さなかった子どもの豆摂取量が2倍以上になったそうです。
言葉をかける時に2つのことを注意する!
しかし、無意味な関連付けはタブーとのこと。
どんなお子さんでも、早く大きくなりたい! 早く走りたい! など、身体能力に関する悩みや憧れを持っています。
第一に、前述のような向上心を満足させてあげる声をかけ、さらに(第二)豆類などの植物性タンパク質がお子さんの成長を促すタンパク源である栄養学的な事実に基づいていることが大切なのだそう!
たいていのお子さんは肉類は好きですが、豆類は苦手でしょう。
こうした声掛けをしてあげると、タンパク質食品も、肉類だけに偏らず、豆製品も食べるようになる、ということです。
詳細実験の結果は?
研究では、統計上、子どもが嫌いな食べ物の上位に上がっている健康的な食べ物「野菜」や「豆類」を中心に調査を開始。
上位に上がっているのが、ピーマン(野菜類)、トマト(野菜類)、キアヌ(穀類)、レンズ豆(タンパク質)で、これらを含んだメニューを、3歳から5歳の幼児87人を対象に実験を行いました。
実験では、2パターンのグループに分け、次のように対応されています。
- 【A】「どうぞ召し上がれ」とだけ言って、摂食行動の経過を観察
- 【B】「これらを食べると大きくなる」「早く走れるようになる」など、嫌いなものを食べるとどうなるかのメリットを毎日説明してから摂食行動の経過を観察
その結果、6週間後、【A】グループの子どもたちは、好き嫌いを克服することなく、何の変化もありませんでした。
しかし【B】グループの子どもたちは、日が経つにつれて、嫌いな食べ物に興味を示すようになり、やがて食べるようになり、実験が終わるころには、好き嫌いを克服したということです!
「どうやって食べさせるか?」が大事!
お子さんの食育において、「何を食べさせるか?」についてはよく話題になっていますが、健康や運動能力、学習能力に効果が期待できる食べ物を、肝心のお子さんが興味を持ってくれなければ意味がありませんよね。
単に「食べなさい!」と声を荒げても好き嫌いは克服されないので、それらを食べるメリットを優しく諭すことが大切だと研究者たちは述べています。
※参考:『栄養教育行動雑誌』2019年5月
さいごに
このような方法なら、お金も時間もかからず、お子さんの正しい食べ物の知識を備えることにもつながりますね。
お子さんの好き嫌いが減ると、無駄な親子喧嘩もへり、パパママのストレスも軽減されるでしょう。