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思春期の肥満は大腸ガンリスクに?イスラエル・研究

思春期から青年期にかけて肥満だったお子さんは、成人してから、大腸ガンになるリスクが高くなるそうです。
思春期に肥満だった人は、成人してからダイエットに励んでも遅いのでしょうか?
詳細を見てみましょう。

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肥満と結腸ガンとの関連は?

青年期に入ってから肥満だった人と、結腸ガンの関連性は、これまでに研究が行われていましたが、研究によって結果が様々で、一致していなかったそうです。
そのため、イスラエルのテルアビブ大学では、思春期まで遡り、その時期の肥満または過体重であった人と、成人になってからの結腸ガンリスクの研究を行いました。

この研究は大規模な調査で、1967年から2002年までの長期間、合計でユダヤ人男性約109万人、ユダヤ人女性約71万人を対象にデータが集められ、その後、2012年まで追跡調査が行われました。

その解析データが、ようやく研究報告として発表されたのです。

約23年の追跡期間中、新たに大腸ガンと診断された人は約3,000人でした。
※大腸ガンは結腸ガン、直腸がん、結腸直腸ガンを含む
男性約2,000人のうち、結腸ガンは約1,400人、直腸ガンは約220人、女性約1,000人のうち、結腸ガン約760人、直腸ガン約230人ということです。

この時点で、肥満であった男性の約70%に大腸ガンのリスクが高まっており、女性と比べると約2倍のリスクがあったそうです。

思春期の肥満と大腸ガンとの関連は?

さらに調査を進めていくと、直腸結腸ガン(直腸ガンと結腸ガン両方を併せ持つガン)と診断された人の平均年齢は49.4歳と非常に若く、この大半が、喫煙などの生活習慣に関わらず、思春期の頃に肥満または過体重であったことがわかりました。
※参考:『がん』

思春期の食べ過ぎは注意が必要!

幼児期から学童期にかけては、身体が小さいので、1回の食事量が少なく、おやつなどの間食で、栄養調整をする時期です。
そしてこの時期は、即エネルギーとなるものを、子ども自身が望む為、カロリーの高いものを欲しがります。
これは自然の摂理なので、その高カロリー食が、そのまま成長の過程で必要な伸長や体重増加につながるわけです。

しかし、その食習慣が思春期に入っても続くと、ある程度、身長や体重が、ほぼ成人と同じぐらいに定着する時期なので、あっという間に太ってしまい、思春期から太り出す子も多いのです。

この時期の食習慣は、成人してから修正しにくいので、そのまま肥満または過体重状態が続き、腸相も悪くなり、大腸ガンの時期を早めてしまうのですね。

上記の研究では大腸ガンと診断された時点で70%ほどの人が肥満であったようなので、まずは、思春期に肥満であったとしても、あきらめずに成人期は普通体重となるよう、努力してみましょう。

思春期のお子さんの心配もありますが、パパやママも、この時期に肥満だった? という心当たりのある方は、要注意ですね。

さいごに

イスラエルでの研究発表ですが、世界的に権威のある医学雑誌に発表された論文ですし、長期間にわたり、大人数のデータが解析された結果なので、日本人でも同じ懸念があると思われます。
大腸ガンは、日本人の死因でも上位に入っています。

乳幼児から学童期までの食生活に気を付けているママは多いですが、図書館に行けば、『小児栄養』という分野の書籍が多くあります。
思春期までの食生活は、『小児栄養』の範疇なので、親が管理してあげる必要があるのです。
この時期に肥満とならないよう、思春期に必要な食べ物、無駄な食べ物をママが把握しておきましょう。

思春期に入ると、揚げ物やファストフード、糖分の多い食べ物(甘いお菓子や飲料)は徐々に控えるよう、教えてあげるようにしましょう。