妊娠前後の糖尿病は子供のアスペルガーに?米・研究
ママが、妊娠前に糖尿病であった場合や、妊娠中期に糖尿病になった場合、生まれてきたお子さんは、将来、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー)のリスクが高まるかもしれない、ということが、アメリカの研究でわかりました。
妊娠中の糖尿病と子どもの自閉症の関係とは?
妊娠前からⅡ型糖尿病にかかっていた人や、妊娠26週までに妊娠糖尿病と診断された母親、及びそのお子さんは、以前から、自閉症スペクトラム障害(以下アスペルガー)になりやすい、ということが指摘さていましたが、ことⅠ型糖尿病に関しては関連性があるかどうか、まだわかっていませんでした。
アメリカの医療保険団体、カイザー・パーマネンテの研究によると、Ⅰ型・Ⅱ型糖尿病の場合、どちらもアスペルガーになるリスクが高いことがわかりました。
以前から指摘のあった妊娠糖尿病に関しては、母親もそのお子さんもアスペルガーにかかるリスクはⅠ型、Ⅱ型と比べると少ないようでした。
詳しい研究内容とは?
調査対象となったのは、1995年から2012年までに、カイザー・パーマネンテの南カリフォルニア病院で生まれた約42万人です。
対象者の母親のデータを解析すると、
- Ⅰ型糖尿病(妊娠前から)621人
- Ⅱ型糖尿病(妊娠前から)9,453人
- 妊娠糖尿病(妊娠26週目まで)11,922人
- 妊娠糖尿病(妊娠26週目以降)24,505人
という内わけになりました。
このうち、アスペルガーを診断された子どもは5,827人でした。
アスペルガーの罹患人数は?
アスペルガーの罹患人数は、1000人中、以下の人数となることがわかっています。
- Ⅰ型糖尿病 4.4人
- Ⅱ型糖尿病 3.6人
- 妊娠糖尿病(妊娠26週目まで)2.9人
- 妊娠糖尿病(妊娠26週目以降)1.8人
アスペルガーの罹患率は?
また、対象者の年齢、主産経験、人種、経済状況、学歴などを調整し、糖尿病ではない母親から生まれた子どもと比較したところ、
- Ⅰ型糖尿病 2.36倍
- Ⅱ型糖尿病 1.45倍
- 妊娠糖尿病(妊娠26週目まで)1.30倍
- 妊娠糖尿病(妊娠26週目以降)0.99倍
となったそうです。
※参考:『米国医学会誌(JAMA)』
さいごに
Ⅰ型糖尿病の場合は、生活習慣とは関係なく、子どもの頃に発症してしまうケースがほとんどですが、Ⅱ型糖尿病の場合は、生活習慣が原因となって罹患するので、将来ママになりたいと思っている方は、妊活以前から、暴飲暴食や喫煙、夜更かしなどは注意しておきましょう。