「寝る前3時間前までに夕食は済ませましょう」とよく聞きますが、最新の研究で、こと”血糖値”に関しては、就寝2時間以内でも、さほど気にしなくてもいいことがわかってきました。
詳細を見てみましょう。
就寝前2時間内の夕食でも血糖値に影響なし?
寝る前に夕食を食べたり、お菓子などを食べることはタブーとされていますね。
日本では、夕食(間食)を終えてから就寝までの間隔が2時間以内になる日を、週3日内にすることが、健康維持に望ましい、と推奨しています。
できれば、3時間以内が望ましいとも。
しかし、忙しい現代、それを実現できる働き世代は少ないことでしょう。
こうした背景から、日本の『特定健診・保健指導』のアンケート調査で、質問項目の1つに「夕食後2時間以内の就寝が週3回以上あるか」を入れて、調査を開始しました。
岡山大学はこの調査を2012年~2014年にかけて行っており、対象者は糖尿病に罹っていない健康な中高年1,573名でした。
解析データ項目としては、血糖値の他、年齢、性別、血圧、脂質、コレステロール、肝機能等の血液データ、喫煙や飲酒習慣、1年に3kg以上の体重の増減、朝食欠食率なども上がっていました。
その結果、「夕食後2時間以内の就寝が週3回以上あるか」と回答した人は、男性で16%、女性で7.5%という結果でした。
この人たちの血糖値はやや上昇ぎみではあったものの、調査の2年目、3年目は減少傾向にあったそうです。
すなわち、研究者たちは、夕食後、2時間以内に就寝しても、血糖値に関してはほぼ影響はない、という結論に達しました。
血糖値は夕食のタイミングよりも過体重や生活習慣に影響
こと血糖値に関しては、夜遅い食事を週に3日以上とっていても、さほど影響ないとはいえ、体重増加や高血圧、血中の中性脂肪の増加、喫煙や飲酒などの頻度が高いと、血糖値も比例して上昇傾向にあるようです。
この研究では、まだ1,500名程度の観察研究なので、因果関係をはっきりと証明できるものではないそうですが、「夕食を早めに済ませておけば、健康に害はない」という”一般常識”は、疑う必要がある、と研究者たちは述べています。
※参考:『BMJ栄養、予防、健康』2019年1月
さいごに
夕食は早めに済ませるのだから、日中にカロリーの高いものや、スイーツ三昧でも大丈夫!? と思っている方は意外と多いのではないでしょうか?
もしや? と思う方は、塩分過多、糖質過多、脂っこいものの食べ過ぎには十分注意するようにしましょう。