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小麦ふすまに防腐・抗菌作用~食品添加物が安全に?

スーパーの製菓コーナーや穀類コーナーで、食材の1つとして販売されている「ふすま(小麦ふすま)」。
目にしたことはあるけど「何に使うの?」と思ったことがある方も多いでしょう。

白く精製された小麦粉は、栄養価が製粉時に取り除かれている為、主に、ホームメードのお菓子やパンに食物繊維や栄養をプラスする目的で使われていました。
そんな地味な存在の「ふすま」に防腐作用や防菌作用、そしてカビが生えるのを防ぐ作用があったのです。

最新のアメリカの食品化学研究を見てみましょう。

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「ふすま」は安全な防腐剤になりうる?

現在、加工食品は世の中にたくさんありますよね。
インスタント食品やドレッシング、お料理の素、お菓子やパン類、飲料などなど。
これらには賞味期限を延ばすために、防腐剤や安定剤などの化学的な食品添加物が含まれており、よく雑誌でも問題にされていますね。
これは日本だけではなく、世界中に問題視されています。

そこで、化学的な食品添加物を、出来る限り自然食品で添加できないか、世界中の食品メーカーや研究機関が、調査・研究を行っていました。
そんな中で、アメリカのペンシルバニア州立大学が「ふすま」に防腐作用や防菌作用、そしてカビが生えるのを防ぐ作用があることを発見したのです。
「ふすま」は、小麦やライ麦、大麦などの麦類を生成する際、捨て去られてしまう部分に含まれているものなので、今後、加工食品などの天然の防腐剤になりうるのでは!? と早くも注目が集まっています。

「ふすま」に含まれる化合物に注目

研究チームは、ふすまの中に含まれる「アルキルレゾルシノール」という化合物に注目!
小麦、ライ麦、大麦などの植物に含まれる化合物で、カビや細菌から穀物を守る作用があったのです。
殻ごとの穀類や全粒粉は、白く精製された粉類よりもカビにくいのは、この化合物のお蔭だったのですね。

この化合物は、ライ麦のふすまに含有が多いことから、その後、ライ麦ふすまからアルキルレゾルシノールのみを抽出・精製する技術を開発し、実際に、酸化しやすいオイルやドレッシングなどの防腐剤として添加し、経過を観察しました。

酸化しやすいオメガ3系オイルの酸化防止に成功!

その結果、最も酸化しやすいと言われているオメガ3系オイルの酸化防止に役立つことがわかってきました。
オメガ3系オイルは、DHAやEPAなどでお馴染みで、健康度や記憶力UPなどの点で、利用している方も多いでしょう。
しかし、酸化しやすいので、冷蔵庫で保管し、開封後は、短期間で使い切らないと、その健康作用がなくなってしまう、というのが難点です。

そこに、オメガ3系オイルの中に、ふすまから抽出された「アルキルレゾルシノール」を添加すると、抗酸化活性を発揮して、無添加のオメガ3系オイルよりも、酸化を長く防ぐことができたのです。

市販のドレッシングや加工食品の防腐剤には?

現在、大量生産が可能な大手食品メーカーなどで使用されている防腐剤は、化学的に合成された「α-トコフェノール」と「ブチル化ヒドロキシトルエン」の2つが主力で、どちらも抗酸化作用、すなわち酸化防止の目的で使われています。
これらのお蔭で、インスタント食品の賞味期限は長く、保存食として役立っているわけです。

まだふすまから抽出された「アルキルレゾルシノール」は、これらほどの抗酸化力には及ばなかったそうです。
しかし、研究者たちは、まだ純度が高いアルキルレゾルシノールの抽出技術が不十分なので、そちらの開発が上手くいけば、今後、市販品の防腐剤として使えると確信しているそうです。
※参考:『食品化学』2019年1月

さいごに

昨年(2018年)あたりから、食品添加物の問題は大きくなってきていますね。
食品添加物は、微量にしか含まれていませんが、毎日食べるものに含まれていると、カラダに蓄積されて、将来の生活習慣病につながる恐れも出てきます。
天然成分の防腐剤が1つでも多く誕生すると、食の安全につながるので、今後の研究結果に期待したいですね。