ここ数年、『働き方改革』で長時間労働が問題視されるようになりましたね。
しかし、「ワーカホリック」という言葉があるように、これまでに長時間労働を余儀なくされていた人たちは脳卒中のリスクが高いそうです。
フランスの最新研究を見てみましょう。
10年以上長時間労働だった人は注意!?
フランスの国立衛生医学研究所は、10年以上、長時間労働を余儀なくされていた人たちは、脳卒中のリスクが高い、という研究報告を発表しました。
調査では、フランスで2012年から行われている疫学研究のプログラムに参加した18~69歳の男女、約14万人を対象に、性別、喫煙、労働時間の統計が解析されました。
長時間労働の定義は、「1日10時間以上の労働を年間50日以上行った場合」、とされています。
長時間労働と脳卒中の関連は?
その結果、10年の追跡調査の中で、約1,200人が脳卒中を発症しました。
解析の結果は、以下の通りです。
- 長時間労働の人は全体の約30%に及んだ。
- そのうち長時間労働が10年続いた人は、全体の約10%であった。
- 長時間労働の人たち(上記1)はそうでない人たちと比べ脳卒中のリスクが約30%高かった。
- また、10年続くと(上記2)、脳卒中のリスクはそうでない人たちと比べ約45%も高くなった。
ということです。
長時間労働は若年層に多い?
年代別に見ると、50歳以上よりも、50歳以下の人たちの方が、長時間労働を10年続け、脳卒中のリスクが高いこともわかりました。
そして職業別に見ると、医療従事者に該当者が多いようです。
医療従事者の人たちは、急患や夜勤などもあるので、その分、一般の人たちよりも、長時間労働を余儀なくされているのでしょう。
労働時間が比較的短い職業とは?
先行研究では、労働時間が比較的短い職業も、統計より割りだされています。
- 事業主
- CEO
- 農家
- 専門職
- 管理職
ということです。
これらの職業の人たちは、ご自身に決定権があり、自由に時間管理がしやすいからだと考えられています。
※参考:『脳卒中』2019年7月
さいごに
以前から、不健康な労働条件として、不規則な勤務形態な人、夜勤が多い人、そして仕事のストレスが大きい、などが統計調査でわかっていました。
長時間労働を余儀なくされると、睡眠時間が減り、その分、仕事の悩み(ストレス)も増え、食生活もおざなりになるので、脳卒中のリスクが高まってしまうのでしょう。
脳卒中は、不健康な食生活や生活習慣の影響で血流が悪くなり、やがて血管がつまり、脳に血液が廻らなくなり、脳細胞が壊死してしまう病気です。
改善する場合もありますが、死に近い生活習慣病としても知られる病気なので、働き世代のパパママは、『働き方改革』に則って、休養を大切にしましょう。