毎日1杯の牛乳でも成人女性の乳がんリスクを高める? アメリカ・疫学研究
お子さんと一緒に毎日牛乳を飲む習慣のある女性は要注意!
健康習慣やカルシウム補給に牛乳を活用している女性は多いことでしょう。
しかし、成長期を過ぎた成人女性が毎日1杯の牛乳を飲み続けると、乳がんリスクが高まるそうです。
アメリカの最新疫学研究の詳細を見てみましょう。
毎日1杯でも牛乳を飲み続けると乳がんリスクが高まる?
アメリカのロマ・リンダ大学アドベンティスト・ヘルスサイエンスセンターなどの共同研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
毎日1杯の牛乳というわずかな量でも、飲み続けると乳がんの発症率がおよそ50%も増加する可能性があるとのこと!
北米の女性、約53,000名を対象に調査!
研究では、北米に住む成人女性、約53,000人を対象に、約8年間の追記調査を行いました。
調査開始時では、ガンの罹患がない人たちが対象です。
調査内容は、主に食事摂取量評価です。
各食物の摂取頻度調査を行い、「24時間思い出し法」での食事記録の統計をとりました。
また調査開始時に、
- 乳がんの家族歴
- 身体活動
- アルコール摂取
- ホルモンや薬物使用
- 乳がんスクリーニング
- 出産歴
- 婦人科的事項歴
について質問票に記入してもらいました。
1日わずか1/4カップの乳製品も危ない?
その結果、1日あたり、わずか1/4カップ~1/3カップの乳製品でも、毎日摂取し続けると乳がんリスクが30%程度増加していたそうです。
そして1日1杯までに増やすと、さらにリスクが増加し50%に。
さらに1日2~3杯の牛乳を毎日飲んでいる女性はさらに70~80%まで増加したのです。
国の食事ガイドラインは見直すべき!!!
現在アメリカの『食事ガイドライン』では、1日3杯の牛乳を推奨しているそうです(成人女性)。
今回の研究結果をふまえ、研究者たちは、
今回の研究結果のエビデンスは、女性の乳がんリスクに関して非常に重要な発見です。
現在のアメリカの牛乳推奨量は慎重に見直す必要がある。
と述べています。
※参考:『国際疫学雑誌』
さいごに
こういう研究発表は、倒産してしまう企業もでてくるため、ニュースでは大々的に報道されません。
しかし、研究機関が世界に向けて発表しているエビデンスですし、5万人以上を対象とした大規模調査を行った上での発表なので、間違いはないでしょう。
日本の『食事摂取基準』でも、乳製品の摂取が推奨されており「1日2SV」となっています。
牛乳なら1杯(約200ml)で2SV、ヨーグルト1パック(100g)で1SV、チーズ1切れ(1枚)1SV。※参考:『食事バランスガイドの活用』
すぐには、改定されることはないかもしれませんが、アメリカでこうしたエビデンスが発表されている以上、生活者が賢く選択して、自身の健康を守らなければいけません。
毎日カフェラテやカフェオレなどの乳飲料を飲む女性は、牛乳を毎日飲んでいることになるので、豆乳などにチェンジしておきましょう。
※成長期のお子さんの話ではなく、成人女性のお話です。