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妊婦さんの空腹時血糖値が高いと母体も赤ちゃんも有害に?!カナダ・研究

妊婦さんの「空腹時血糖値」が高いと、食後血糖値が高いことよりも、母体と赤ちゃんに有害があるようです?!
カナダの最新・糖尿病研究の詳細を見てみましょう。

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妊婦さんの空腹時血糖値が高いとどうなるの?

カナダのアルバータ大学の研究報告によると、妊娠中に空腹時血糖値が高いと、食後血糖値が高いことよりも、「高血圧障害」「赤ちゃんの育ちすぎ(在胎不当過大)」の原因になる可能性が高くなるとのことです。
これは、「妊娠糖尿病」の治療を受けている人でも、同じ結果になるそう。

空腹時血糖値とは?

空腹時血糖値とは、診断前に10時間以上絶食して、血糖値を測った時の数値のことで、会社や学校の健康診断項目にも入っていますね。
健康診断の当日に、朝食を抜くよう指示されるのは、そのためです。

10時間以上の絶食状態で血糖値を測るので、健常な人だと数値は110 mg/ml未満です。
これが、126mg/ml以上となると糖尿病予備軍、そして200mg/ml以上だと「糖尿病」と診断されてしまいます。

スイーツ好き、お酒好きの人は要注意!

妊娠中は、アルコールやタバコ、カフェイン摂取に気を配る人は多いですが、パンやスイーツなどの糖質の摂り過ぎは、さほど注意していないのではないでしょうか?

日ごろからスイーツばかり食べている人や、お酒好きの人は、いくら測定前に10時間断食の時間を設けても、数値に出てしまうのです。
妊婦さんが、こうした状態だと前述のように、高血圧や赤ちゃんの育ちすぎの問題が出てきてしまいます。

具体的な研究内容は?

アルバータ大学の研究では、カナダ・アルバータ州在住の妊婦、約25万人を対象に2008年~2014年の健康記録が調査されました。
期間中に、約13,000人が妊娠糖尿病と診断されています。
また約4,000人の空腹時血糖値が5.3 mmol/L以上(95.4mg/ml)、約8,800人が食後1時間から2時間値の上昇が認められたそうです。

その結果、食後血糖値が高いということよりも、空腹時血糖値が高い方が、合併症などのリスクが高いことがわかったのです。

妊娠中の空腹時血糖値が高いことによる弊害とは?

具体的には、空腹時血糖値が高いと、以下のようなリスクが高まります。

  • 赤ちゃんの育ちすぎ(在胎不当過大)リスクが2.6倍
  • 妊娠高血圧のリスクが1.5倍

他にも「誘発分娩」「帝王切開」「早産」を余儀なくされるケースも高くなったということです。
さらに、既に妊娠糖尿病と診断され、その治療でインスリンやメトホルミンの治療薬が投与されていても、上記のような弊害は持続したままだったそうです。

さいごに

研究者たちは、

空腹時血糖値の高い女性は、妊婦だけではなく、様々な疾患の治療に対して反応が低いため、非常に重大な問題になってきている。

と述べています。
※参考:『糖尿病医学』

妊婦さんはもちろん、そうでない人も、スイーツやパンなどの糖質が高い食べ物やお酒の摂り過ぎは、日頃から気を付けておきたいですね。
健康診断前に、あわてて生活習慣を良くしても、日頃の悪習慣は結果に出てしまいますし、何かの病気にかかったときに、治りが遅くなってしまうので、注意しておきたいですね。