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子癇前症はビタミンD摂取で高血圧リスクを低減?アメリカ・研究

妊娠中に高血圧やタンパク尿で苦しむ、女性特有の疾患「子癇前症(しかんぜんしょう)」をご存じですか?
妊娠後期に発症して、時間がたつにつれて悪化しやすい難病です。
産まれてきたお子さんも、幼児期から高血圧になる可能性があり、アメリカでは特に研究が進んでいます。
そんな中、ビタミンDの摂取に子癇前症の予防策があるようです。
アメリカの最新研究を見てみましょう。

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血中のビタミンDレベルが高いと子癇前症の予防に?

アメリカのジョンズホプキンズ大学の研究により、血中のビタミンDレベルを高めると、子癇前症(しかんぜんしょう)の対策になることがわかってきました。
その場合、母親が子癇前症でも、産まれてきたお子さんに「小児高血圧」の発症リスクが抑えられるとのこと!

子癇前症について

冒頭のように、子癇前症は、妊娠中に高血圧やタンパク尿の症状がみられる疾患です。
要因としては、肥満、高血圧、高齢出産、糖尿病などが挙げられています。
また、初めての妊娠時や、双子を妊娠している場合も、通常より頻繁に診られるケースがあるとのこと。

アメリカの小児高血圧は深刻化

アメリカでは、「小児高血圧」と診断された子供が、1988年から2008年にかけて約40%上昇していました。
先行研究では、母親が子癇前症に罹患している場合に多いというデータも出ていたのです。
そのため、研究班は、妊娠中の母親の血中ビタミンD欠乏が、小児高血圧と関連しているのではないかと睨み、今回の研究に至ったそうです。

754組の母子を対象とした研究

研究では、マサチューセッツ州の754組の母子を対象に、データを解析しました。
対象グループの約60%が黒人で、全体の半数が過体重または肥満でした。
データには、妊娠中の子癇前症の有無、出生時の血液検査結果、そして3~18歳までのお子さんの血圧の測定履歴が含まれていました。

解析の結果は?

研究班がデータを解析したところ、母親の約10%が子癇前症でした。
また、母親が子癇前症に罹患していると、そうでない子どもたちと比べると、平均収縮期血圧が高いことがわかりました。
全血圧測定値を0-100パーセンタイルに変換した場合では、約5パーセンタイル高かったそうです。

小児高血圧は母親のビタミンD欠乏が原因?

また妊娠中の母親の血中ビタミンDレベルは、濃度によって明らかに小児高血圧と関連していることもわかりました。
ビタミンDレベルを4つのグループに分けると、最下位の25%に含まれたお子さんは、平均して11パーセンタイル血圧が高かったのです。
一方のビタミンDレベルが最上位の25%に含まれたお子さんは、例え母親が子癇前症であっても、血圧の違いに影響はないことがわかりました。
つまり、小児高血圧の原因は、妊娠中の母親の子癇前症という説は打ち消されたということになります。

妊婦さんはビタミンD濃度を高めよう!

この結果をふまえ、妊娠中の血中ビタミンDレベルが高いほど、産まれてきたお子さんの血圧が安定し、小児高血圧のリスクもない、と研究者たちは結論づけています。
これにより、小児高血圧や、妊婦さんの必要な栄養素の一つに「ビタミンD」が重要だということがわかったのですね。
※参考:『JAMAネットワークオープン』

さいごに

ビタミンDは食品だとキノコ類や鮭から摂れますが、日光浴をすることで、皮膚からビタミンDが合成されます。
妊婦さんは毎日、10分程度でいいので、日光にあたる習慣をつけるといいでしょう。