東フィンランド大学の研究で、白く精製された小麦や砂糖を多く含むスイーツや加工品の摂取が少なく、野菜や果物、魚介類、全粒穀物と植物油を豊富に摂っている子どもたちは、読解力が高いことがわかりました。
詳細を見てみましょう。
白く精製された小麦粉や白糖では学力は低下する!?
絵本を読んだり、児童向きに書かれた名作の小説を読んだり、教科書を読んだりと、読解力は今後の人生に欠かせない要素ですね。
パンやお菓子は、子どもがおやつタイムに喜ぶアイテムではありますが、摂取が多いと、読解力が欠けていくかもしれません。
東フィンランド大学などの研究は、フィンランドの小学生1年生、約160人を、3年生になるまで追跡調査を行いました。
調査方法は、子どもたちの食生活を把握するために、食事日記をつけてもらっています。
それと同時に、学力が標準化された試験方法によって食事内容と読解力の関係性を調べました。
野菜など自然食品は読解力がUPする?
その結果、野菜を食べていて、果物の中でも特にベリー類を多く食べている子どもたちは読解力が高いことがわかりました。
同時に、魚介類や全粒粉でできたパン類、そして油分も不飽和脂肪酸(魚や植物油)から摂っていることもわかりました。
これらの食品の摂取が少ない子どもは、加工食品やインスタント食品の利用が多く、必然と白く精製された小麦粉や白糖を多くとっていることになり、読解力UPも望めないようでした。
※参考:『欧州栄養学雑誌』2016年9月
進級するほど食事内容が学力に響く?
小学校に入学したばかりの1年生の間は、まだ、食事内容と学力の差に、大きな差はみられませんでしたが、2年生、3年生と学年が進むにつれて、食事内容と学力の差は大きくなるそうです。
特に読解力の差が著しいそうです。
読解力は未来の社会経済力にも影響する?
食事の質を上げて読解力UPにつながると、将来の進学に関係してきますし、その進路次第で社会経済的状態、運動能力、体脂肪(肥満度)、身体活動などにも関係してくるとのこと。
やはり優秀な人ほど健康を第一に考えている人が多いと言われるように、子どもの頃から、バランスのとれた質の良い食事を摂ることが大切なようですね。
カラダが健康であると、やはり学童期の子どもにおいても、思春期に入っても、学習能力が高まるので、学業成績もよくなります。
そうると利発な子に育っていくことでしょう。
ご両親や周りの大人たちが、お子さんに、より健康的な食事内容を提供し、選ぶように指導すれば、お子さんの健康と読解力、両方が高まっていくと考えられています。
さいごに
この研究に関わった研究者たちは、周りの大人たちはもちろん、政府や食品会社も、子どもたちが健康的な食品を入手しやすいよう工夫したり、そして何が健康な食品かを教えてあげることも大切だと述べています。
今は共稼ぎ世帯が増えているので、子どもにお金だけ渡して、「好きなものを食べなさい」という親も多くなっているようですね。
そうした時に、子どもたちだけで、どんな食べ物が健康や学習に役立つ食材なのかを、前述の研究内容を参考に教えてあげましょう!